総務省が、ふるさと納税制度の見直しを示唆。おトクを求めるならお早めに

[2018/9/12 00:00]

総務省による返礼品の調査

総務省が、2018年9月1日時点での、ふるさと納税の返礼品の調査結果を公開しました。

9月1日時点で、“返礼品の割合が3割を超えている地方自治体”は「246団体」でした。

また、“地場産品以外の返礼品を出している地方自治体”は「235団体」です。

総務省は、この結果を受けて、関連する法律の改正を含めて、ふるさと納税の制度を見直す方針です。

返礼割合が3割を超える自治体は減っている

「返礼割合」とは、寄付した金額のうち、返礼品に充てる金額を指します。

返礼割合3割の自治体に1万円の寄付をした場合、そのうち3千円が返礼品に充てられるわけです。

返礼割合が3割を超える自治体は、2016年度末の1,156団体から、246団体まで減少しました。

2度にわたって、総務大臣名での通知を出した効果があったと言えるでしょう。

出典:総務省

地場産品以外を扱う自治体は235団体

一方、地場産品以外の返礼品を出している自治体は「235団体」でした。

そのうち、190団体は「見直し時期未定」または「見直しの意向なし」としています。

7月に「返礼割合が3割超」かつ「地場産品以外の返礼品」があり、「受け入れた寄付の額が1億円を超えている」として、名前が公開された12の自治体でも、地場産品以外の返礼品を取りやめたところは多くありません。

中でも、大阪府泉佐野市は、見直しの意向について「未回答」としており、見直しを求める方針に対して強い態度で臨んでいます。

出典:総務省

来年には法律を改正か

「返礼割合3割」と「地場産品限定」というルールは、総務省が大臣からの通知として、自治体に要請しているものですが、法的な強制力はありません。

野田聖子総務相は8月11日の記者会見で、「これまでと同様に見直し要請を行なうだけでは自発的な見直しが期待できない状況」と述べています。

そして、「制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税の対象外にすることもできるよう、制度の見直しを検討する」と発言しました。

具体的には、法律を改正して、ふるさと納税の返礼品に対して「返礼割合3割」と「地場産品限定」を義務付けることになります。

これには、国会の審議が必要となるため、新しいルールが施行されるのは、早くても来年以降となります。

おトクを求めるならお早めに

ここまで見てきたように、ふるさと納税の納税額と返礼品との関係だけで見れば、おトクな返礼品が手に入るのは今年だけになる可能性が高いでしょう。

さらに、10月までに地場産品以外の返礼品の見直しを予定している自治体も多数あります。

ふるさと納税の利用は、例年は年末がシーズンです。しかし、おトクな返礼品を求めるならば、今年は、できるだけ早く利用することをお勧めします。

[シニアガイド編集部]