介護が始まった時にかかるお金と時間
介護にかかる費用を知りたい
身近な人の介護が始まったときには、どれぐらいお金が掛かるものなのでしょうか。
また、介護の期間は、どれぐらいの年月を想定しておけば良いのでしょう。
ここでは、生命保険文化センターの調査で分かった金額と期間を紹介します。
2018年4月に2人以上の世帯を対象に行なわれた調査では、3,983世帯の回答を得ています。
リフォームなどの一時金は「69万円」
まず、「介護にかかった一時金」を見てみましょう。
これは、介護を理由にした住宅のリフォームや介護ベッドの購入などの1回だけかかる費用です。
回答者による平均金額は「69万円」でした。
しかし、「なし(0円)」という人や、「15万円未満」という人も、かなりいます。
一方で、「200万円以上」という回答もありました。
その家族の状況によって、かなり差が出ることが分かります。
毎月「7万8千円」かかる
次に、「毎月、介護にかかるお金」です。
これは、介護保険の自己負担分など、毎月かかり続ける金額です。
回答者の平均は「7万8千円」でした。
金額の分布を見ると、「1万円~2万5千円」「5万円~7万5千円」「15万円以上」の3つが、ほぼ並んでいます。
こちらも、介護の状況によって大きな差が出ることが分かります。
介護の期間は「4年6カ月」
では、「介護の期間」はどれぐらいを想定しておけば良いのでしょう。
回答者の平均は「54.5カ月」でした、年に直すと「4年6カ月」になります。
分布を見ても、一番多い回答は「4年~10年」でした。
介護の期間は、少なくとも何年かに及ぶと考えておいた方が良いでしょう。
介護の対象は「自分の親」、「要介護3」以上が多い
最後に、「介護の対象となった人」と、その「要介護度」を見てみましょう。
最初に「介護の対象となった人」を見てみましょう。
過去3年間に家族や親族の介護経験がある人は「17.3%」でした。
その内訳を見ると、「自分の親」が一番多く、「配偶者の親」と「配偶者」が続きます。
「それ以外の親族」は、ごく稀であることが分かります。
そして、介護の対象となった人の要介護度は、「要介護3」から「要介護5」が多くなっています。
「要介護3」は、「入浴や着替えに介助が必要」なレベルで、特別養護老人ホームへの入居資格ともなっています。
やはり、「要介護3」あたりから自立した生活が難しくなり、家族や親族による手助けが必要となるのでしょう。
なお、介護保険を利用していない人は10%未満でした。
現在の介護が、介護保険の利用を抜きにしては考えられないことが分かります。