介護が始まった時にかかるお金と時間

[2018/10/5 00:00]

介護にかかる費用を知りたい

身近な人の介護が始まったときには、どれぐらいお金が掛かるものなのでしょうか。

また、介護の期間は、どれぐらいの年月を想定しておけば良いのでしょう。

ここでは、生命保険文化センターの調査で分かった金額と期間を紹介します。

2018年4月に2人以上の世帯を対象に行なわれた調査では、3,983世帯の回答を得ています。

リフォームなどの一時金は「69万円」

まず、「介護にかかった一時金」を見てみましょう。

これは、介護を理由にした住宅のリフォームや介護ベッドの購入などの1回だけかかる費用です。

回答者による平均金額は「69万円」でした。

しかし、「なし(0円)」という人や、「15万円未満」という人も、かなりいます。

一方で、「200万円以上」という回答もありました。

その家族の状況によって、かなり差が出ることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

毎月「7万8千円」かかる

次に、「毎月、介護にかかるお金」です。

これは、介護保険の自己負担分など、毎月かかり続ける金額です。

回答者の平均は「7万8千円」でした。

金額の分布を見ると、「1万円~2万5千円」「5万円~7万5千円」「15万円以上」の3つが、ほぼ並んでいます。

こちらも、介護の状況によって大きな差が出ることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

介護の期間は「4年6カ月」

では、「介護の期間」はどれぐらいを想定しておけば良いのでしょう。

回答者の平均は「54.5カ月」でした、年に直すと「4年6カ月」になります。

分布を見ても、一番多い回答は「4年~10年」でした。

介護の期間は、少なくとも何年かに及ぶと考えておいた方が良いでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

介護の対象は「自分の親」、「要介護3」以上が多い

最後に、「介護の対象となった人」と、その「要介護度」を見てみましょう。

最初に「介護の対象となった人」を見てみましょう。

過去3年間に家族や親族の介護経験がある人は「17.3%」でした。

その内訳を見ると、「自分の親」が一番多く、「配偶者の親」と「配偶者」が続きます。

「それ以外の親族」は、ごく稀であることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

そして、介護の対象となった人の要介護度は、「要介護3」から「要介護5」が多くなっています。

「要介護3」は、「入浴や着替えに介助が必要」なレベルで、特別養護老人ホームへの入居資格ともなっています。

やはり、「要介護3」あたりから自立した生活が難しくなり、家族や親族による手助けが必要となるのでしょう。

なお、介護保険を利用していない人は10%未満でした。

現在の介護が、介護保険の利用を抜きにしては考えられないことが分かります。

出典:データを基に編集部が作成
[シニアガイド編集部]