老後の生活資金は「年金以外に15万円欲しい」

[2018/10/10 00:00]

老後の資金に不安を感じている人は「70%」

生命保険文化センターが、全国の3,983世帯を対象にした調査から、「老後の生活資金」について紹介します。

老後の生活資金をまかなうための、現在の資金準備については、「少し不安である」と「非常に不安である」の合計が70%でした。

「老後の資金に不安がある」としている人は多く、「不安がない」人は3割弱しかいません。

出典:データを基に編集部が作成

年金以外に「15万円」は欲しい

具体的に、世帯主が65歳以降になったときに、公的年金以外に必要と考える資金額を聞いています。

つまり、夫婦の年金にプラスアルファで必要な生活資金の金額です。

回答者の平均は「月額15.9万円」でした。

回答者数で見ても、「10~15万円未満」が一番多くなっています。

2つの回答からすると、だいたい「15万円」が、公的年金以外に用意しておきたい生活資金の目安と言って良いでしょう。

実際には、これはかなり高い目標です。

例えば、総務省による「家計調査」では、夫婦二人の生活費は「263,717円」という結果が出ています。

この場合、収入が年金だけであれば、毎月の赤字は「54,519円」です。

年金以外に「月に15万円」を稼ぐのは大変です。まずは家計調査に表れている「月に5~6万円」の赤字を埋めることを目標にすると良いでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

頼りになるのは「貯金」と「信託」

老後の生活資金をまかなうために準備中の経済的準備手段で、期待できるものを聞いています。

一番多いのは「預貯金/貸付信託/金銭信託」でした。

すぐに現金化できる貯金や信託を頼りとしている人が多いようです。

二番目に多いのは「期待しているものはない」です。

これは、ここに挙がっている経済的手段が信用できないというよりも、質問が「準備中」であることを前提としているために、何も準備をしていない人が多いのでしょう。

三番目以降は「生命保険」と「個人年金保険」が続いています。

なお、この調査の項目には「企業年金」などの、公的年金以外の年金制度や、「退職金」が含まれていません。実際の生活設計では、それらも考慮する必要があるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

少しずつだが「不安」な人が減ってきている

生命保険文化センターの調査は、3年おきに行なわれています。

過去の結果を時系列的にみると、老後の生活資金に対して、「不安」とする人は、わずかながら減ってきています。

一方、「安心」という回答は増えてきてます。

もちろん、割合としては「不安」を感じている人の方がずっと多いのですが、老後に対する備えを実行して「安心」を得た人も増えてきているようです。

出典:データを基に編集部が作成
[シニアガイド編集部]