介護離職者の7割以上が「女性」。40歳になったら危険
どんな人が介護離職に至るのか
日本の介護離職者は、年間で約10万人いるとされています。
では、どの性別の、どの年代の人が多いのでしょう。
総務省の「就業構造基本調査」をもとに紹介します。
毎年10万人が止めている
就業構造基本調査で、介護離職者とされているのは、離職の理由が「介護・看護のため」の人です。
2017年の介護離職者は「9万9,100人」でした。
過去のデータを見ても、だいたい10万人前後で推移していることが分かります。
7割以上が女性
介護離職者の性別は、大きな差があります。
2017年のデータでは、「男性」が24.2%なのに対して、「女性」が75.8%でした。
男女間で、3倍以上の差があります。
過去のデータをみても、女性の割合は70%~80%の範囲です。
介護は、女性に犠牲を強いる仕事であることが分かります。
また、男性にとってもパートナーが退職するとなれば、大きな影響は避けられません。他人事ではなく、家族の問題と考えたいものです。
「40代」から急増する
介護離職者が多い年代は、「40代」から「60代」です。
親との年齢差を30歳とすると、自分が40代のときには、親が70代です。
女性の介護離職者が一番多い「55~59歳」ならば、親の年齢は「85~89歳」ですから、介護の必要性が高くなっているのでしょう。
一方、男性の介護離職者が一番多いのは「60~64歳」です。
定年前後で、介護離職をする人が多いことが分かります。
40歳になったら介護保険を勉強しよう
ここまでの内容を、まとめてみましょう。
- 日本の介護離職者は、年間10万人で、ここ数年でもあまり変わっていない
- 介護離職者は女性が多く、全体の7割以上を占める
- 介護離職者が多い年代は「40代~60代」
つまり、自分が40歳になったら「介護」に目を向ける必要があります。
そして、介護離職には、次の3つのリスクがあります。
- 年収の消失に伴なう経済的な苦境
- 介護に伴なう精神的な負担
- 介護終了後の再就職の難しさと低年収
これだけ大きなリスクがあるのですから、介護休暇や介護休業などの制度などを利用して、できるだけ介護離職は避けましょう。
介護離職者の多くが、介護保険制度の知識に乏しく、第三者の介入を拒んでいるうちに、離職に至ってしまうと言われています。
介護保険制度では、40歳になると「第2号被保険者」になり、介護保険料を納め始めます。
せっかく介護保険料を払い始めるですから、介護保険の使い方を覚えておきましょう。
急に「介護」が必要になったときに、介護保険の相談窓口を知っているだけでも助かります。
ちょっとした知識の有無が、その後の経過に大きく影響するのです。
また、早い時期に、ケアマネジャーなどの第三者と相談することで、介護離職を避ける方法が見つかるかもしれません。