派遣を続けたいと思っている人は2割強、多くが正社員を希望
「派遣」ってどういう働き方なのか
転職の選択肢として、「派遣」を勧められたことはありませんか。
しかし、「派遣」で働いた経験がない人にとっては、「派遣」がどういう働き方なのかイメージするのは難しいでしょう。
「派遣」は、人材派遣会社が登録している人を、派遣先の会社へ派遣します。派遣された人は、派遣先の担当者の指示に従って仕事をします。
そのため、正社員や契約社員、アルバイトなど、その会社に直接雇われている人とは、働き方に異なった特徴があります。
ここでは、厚労省が行なった「派遣労働者実態調査」をもとに、派遣ではたらく人のプロフィールを見ていきましょう。
この調査は、2017年10月に行なわれ、派遣で働いている8,728人から回答を得た大規模なものです。
派遣の人は40代前半が多い
派遣で働いている人の年齢は、10代から65歳以上まで幅広いことが分かります。
一番多いのは、「40~44 歳」で、男女とも変わりません。
「高卒」と「大卒」が多い
派遣で働いている人の最終学歴は、「高校卒」が一番多く、次が「大学卒」でした。
なお、中途退学している場合は、退学した学校ではなく、その前の学歴となっています。
仕事は「製造」や「事務」が中心
派遣で行なっている業務には、男女差があります。
男性は「物の製造」が一番多く、「倉庫/搬送関連事務」と「ソフトウェア開発」が続きます。
女性は「一般事務」が一番多く、「事務用機器操作」と「物の製造」が続きます。
ここに挙げた業務が派遣の仕事の主流と言って良いでしょう。
男性は正社員並みに働く
派遣で働いている人の労働時間を見ると、「40時間~50時間」が一番多くなっています。
ほとんど差がなく「30時間~40時間」が続きます。
男性は「40時間~50時間」が多く、女性は「30時間~40時間」が多くなっています。
男性は「ほとんど毎日残業がある」という人が、女性は「まったく残業がない」が多く、残業の有無についても、男女差があるようです。
男性の場合は、ほとんど正社員並みの労働時間と残業があると思った方が良さそうです。
時給は千円台が多い
派遣では、時給制が主流です。
支給されている時給で一番多いのは「1,000円~1,200円未満」でした。
次が「1,250円~1,500円未満」で、この2つで50%を超えます。
アルバイトの時給が1,000円を超えることも珍しくない時期だけに、安いと感じている人が多いようです。
ボーナスや昇給はあまりない
派遣で働く場合に気になるのが、手当や各種の制度の有無です。
制度があるのは、「通勤手当」が50%、「賞与/一時金」は20%、「昇給」15%でした。
「通勤手当」があるのは半分で、「賞与/一時金」と「昇給」があるのは珍しいと言って良いでしょう。
「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」は、80%以上が加入しています。
派遣を続けたいと思っている人は2割強
派遣で働いている人は、今後の働き方について、どう考えているのでしょう。
一番多かったのは「派遣労働者以外の就業形態で働きたい」でした。ほとんど5割を占めています。
派遣で働くことを続けたい人よりも、他の働き方を求めている人が多いのです。
このまま「派遣労働者として働きたい」は2割強、「その他」が2割です。
そして、「派遣労働者以外の就業形態で働きたい」と回答した人の8割以上が、「正社員として働きたい」としています。
派遣元への要望として多いのが「賃金制度の改善」と「継続した仕事の確保」なので、それを満たすために、正社員を希望する人が多いのでしょう。