年金制度の国際ランキングで、日本は34カ国中の29位と低評価

[2018/10/23 00:00]

日本の年金制度は「D」評価

世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーが、2018年度の「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」 レポートとランキングを公開しています。

日本の年金制度のランキングは全34カ国中の29位と下位に留まり、総合評価は「D」でした。

しかし、総合指数は昨年の43.5から、2018年は「48.2」と過去最高値となり、改善がみられました。

各国の年金制度ランク付け

「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」は、対象国の様々な年金制度への取り組みを、指数として表してます。

数字が大きい方が評価が高く、2018年度に1位のオランダは「80.3」でした。

対象国の年金制度に0から100までの評価が付けられ、「十分性(Adequacy)」、「持続性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」の平均評価値が指数として表される。

各項目の評価指数における配分は、「十分性」が40%、持続性が35%、健全性が25%です。

各国の総合評価は、指数をもとに「A」から「E」までの7つのグレードに分けられています。

出典:マーサー

まだまだ改善の余地は大きい

マーサージャパン年金コンサルティング部門代表である北野信太郎氏は、日本の年金制度の評価について以下のようにコメントしています。


2018年の日本の年金制度の総合評価は例年と同じDとなりましたが、昨年の総合指数が43.5であったのに対し、今年は48.2と、少なからず改善が見られ、総合C評価まであと少し、というところまで来ています。

この要因として、年金制度への加入率の改善が挙げられており、平成30年5月まで段階的に施行された確定拠出年金(DC)法の改正、並びにiDeCoの普及等によるDC制度の活用が背景にあります。

しかし、現行でのDCへの拠出上限が年間66万円に抑えられていることなど、DCを老後の生活を支えるための軸として位置付けるためには、まだまだ改善の余地は残されていると考えます。

[シニアガイド編集部]