4大SNSの動向と使い分け

[2018/10/25 00:00]
出典:リスキーブランド

2011年からの動向をチェック

ブランド戦略コンサルティング会社のリスキーブランドが、「SNSユーザー分析」の結果を公開しています。

この分析は、2011~2018年の生活意識調査データを利用して、LINE、Twitter、Instagram、Facebookの4つのSNSのユーザー動向をまとめたものです。

Facebookが失速

各SNSのアクティブユーザーの割合の推移を見ると、LINE、Twitter、Instagramの3ブランドは順調にアクティブユーザーが増えています。

しかし、Facebookは2015年をピークに失速気味で、2018年にはInstagramの後塵を拝しています。

出典:リスキーブランド

若者離れが進むFacebook

Facebookのアクティブユーザー率の推移を、年代別に見ています。

「45~54歳」と「55歳~64歳」の中高年層の支持は拡大傾向にあります。

しかし、「15~24歳」は大きく減少し、2018年には、5年前の半分以下になりました。

出典:リスキーブランド

年代による棲み分けが進む

4つのSNSの年代構成を見ると、LINEは幅広い年代層に受け入れられています。

TwitterとInstagramは若年層に、Facebookは45歳以上の中高年層に強いことが分かります。

出典:リスキーブランド

連絡用途なら「LINE」

ここからは、リスキーブランドによる、各SNSについてのコメントを紹介します。

出典:リスキーブランド

LINEは、連絡用途でダントツであり、同時に情報発信や趣味性などの用途は少ないことも特徴です。

ユーザーの年代層も幅広く、日本人の5割以上がLINEのアクティブユーザーであることを考えると「連絡用途」のデファクトスタンダードとしてのポジションを獲得していることが分かります。

コミュニケーションを円滑化する親しみやすいスタンプ機能をはじめとする様々な機能が「連絡用途」としてのポジションを強いものにしていると思われます。

企業にとってLINEは、連絡用途というメジャーなプラットフォームを使った様々なサービスを展開できる可能性をもったメディアと位置付けられるでしょう。

内向的な若年層の趣味とニュースなら「Twitter」

出典:リスキーブランド

Twitterは若年層で内向的な価値観の人のためのSNSというポジションを得ていると言えるでしょう。趣味の情報やニュースが入手でき、情報発信用途でも活用されています。

匿名で投稿でき、つぶやき形式の短い文章を中心としたスタイルは、現在の社会トレンドである「冷笑主義/シニシズム」の特徴の1つ、「社会とは一定の距離を置く」というニーズに合致したメディアと言えるでしょう。

企業にとってTwitterは、自社サービスを読者の趣味に関連させたり、新製品や新サービスのニュース発信のために有用なメディアと位置付けられるでしょう。

外向的な若年層の趣味なら「Instagram」

出典:リスキーブランド

Instagramは、若年層で外向的な価値観の人のためのSNSというポジションを得ていると言えるでしょう。趣味の情報が入手でき、情報発信用途でも活用されています。

あまり複雑なテーマには触れず、お気に入りの画像や動画をアップしたり、自分の趣味にあったテーマや著名人の画像や動画に手軽に触れることができるスタイルは、現在の社会トレンドである「冷笑主義/シニシズム」の、もう1つの特徴「刹那的に生きる」というニーズに合致しているメディアと言えるでしょう。

企業によってのInstagramは、画像や動画を使って自社のブランドイメージを高めるために有用なメディアと言えるでしょう。ブランドロイヤルティの向上にも寄与することが推測できます。

外向的な中高年層の自己表現手段なら「Facebook」

Facebookの特徴は、中高年層に支持されている唯一のSNSです。

一方で、Facebookは、どの用途でも一定の利用がなされているものの、際立って高いものはありません。連絡用途も61%のアクティブユーザーが利用していますが、85%のLINEに大きく引き離されています。

「情報発信用途」では一定の活用はあるものの、「趣味情報用途」や「ニュースチェック用途」など共通のテーマでの活用率は高くありません。Facebookでは、共通の関心領域と関係なく情報発信がなされているようです。

つまり、Facebookは、(受け手の関心領域とは関連しない)個人的な近況報告やリア充自慢など、外向的な中高年層の自己表現手段(発信中心)というポジションを得ていると言えるでしょう。

若年層を中心にアクティブユーザーが減少している理由もこのポジションが影響していると考えられます。個人的な近況報告やリア充自慢は、若年層のニーズとは遠いでしょうし、TwitterやInstagramのような「冷笑主義/シニシズム」とも縁遠い用途です。

上記のポジションを考慮すると、企業にとってのFacebookは、旅行や資産形成、引退後の娯楽など、中高年層を対象とした情報メディアとして有用なメディアと言えるでしょう。

ただ、中高年層市場では企業の信用力が重要な要素だとすれば、2018年春の個人情報不正流出事件やFacebook社の初期対応の拙さは、中高年層市場でのマーケティングではマイナスに働くリスクがあります。信用力の回復に向けた真摯な活動が行われれば、Facebookは、中高年市場でのポジションをより強いものにできるでしょう。

FacebookとInstagramは外交的、LINEとTwitterは内向的なユーザーが多い 出典:リスキーブランド
[シニアガイド編集部]