冬に増える浴室での死亡事故。溺死より多い「病死」
[2018/10/30 00:00]
都内だけで年間1,400人が死亡
寒い冬は、浴室での死亡事故が起こりやすい季節と言われています。
2017年には、東京都内だけでも1,479件の浴室内での死亡事故がありました。
これは、東京都監察医務院が扱ったすべての事例の約11%にあたります。
東京都監察医務院は、東京都23区において死因がわからず急に亡くなられた方々や事故などで亡くなられた方々の死因を明らかにすることを目的とする施設です。
今回は、ここが公開しているデータをもとにして、浴室での事故の状況を見ていきましょう。
10月から事故が多くなる
2017年の浴室内での死亡事例を月別にみると、1~4月と10~12月が多くなっています。
やはり、浴室内での事故は、冬から春にかけてが多く、夏には少ないことが裏付けられました。
男女別では、男性が774人、女性が705人で、男性の方が少し多くなっています。
70代と80代で85%を占める
事故による死者数を年代別に見ると、60代から増え始めています。
70代が29%、80代が56%で、この2つの年代だけで85%を占めています。
高齢者ほど、浴室での事故に注意する必要があることが分かります。
溺死より病死が多い
浴室での死亡事故といえば、溺れることによる「溺死」という印象が強いかもしれません。
しかし、実際には「病死」が84%を占めています。
「病死」の内訳は公開されていませんが、心臓や脳血管の病気による発作が中心と思われます。
事故を予防するための留意事項
入浴に際しては、身体への影響を考慮したさまざまな注意が必要です。次の点に注意してください。
- 飲酒後の入浴は控えましょう。
- 精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険ですので注意しましょう。
- 心筋梗塞、高血圧症、脳血管疾患などの持病のある方は、注意して入浴しましょう。
- 体調不良時の入浴は避けましょう。
- 脱衣場、浴室内の適切な温度調節を行いましょう。
- 特に、冬場、高齢者の入浴時には家族も心配りをしましょう。
- 一人暮らしの高齢者の方は、特に注意しましょう。
- 熱い湯、長風呂は危険が増しますので注意しましょう。