認知症を持つ家族との共同生活では、9割以上の人が精神的負担を感じている

[2018/11/2 00:00]

認知症の家族がいる人へのアンケート

認知症専門の少額短期保険を手掛けるリボン少額短期保険が「認知症に関するアンケート調査」の結果を公開しています。

このインターネットアンケートには、認知症の家族がいる全国の男女317人が回答しています。

ほとんどの人が精神的な負担を感じている

「認知症の家族との共同生活で感じる負担」を聞いています。

9割以上の人が「心理的・精神的負担」を挙げています。

「心理的・精神的負担」を感じている人は、「体力的負担」や「経済的負担」の2倍以上でした。

出典:データを基に編集部が作成

経済的負担の内容は「生活費」と「医療費」

「経済的負担」があると回答した人に、経済的負担の内容を聞いています。

「衣食住における生活費が増えた」が7割以上で、「入院費や治療費がかかる」も6割を超えました。

認知症の家族が、第三者の財産を壊したことによる、費用や慰謝料を挙げている人もいます。

出典:データを基に編集部が作成

介護が続けられるかが最大の不安

認知症の家族との共同生活において、今後の不安要素を聞いています。

「きちんと介護していけるか」という、介護の継続性を不安とする人が最多でした。

また、「自分の精神を保ち続けられるか」という介護する側の精神状態の維持を不安とする人も、ほぼ並んでいます。

この2つの回答は、いずれも過半数を超えており、認知症の家族との共同生活において、忘れられない不安と言えるでしょう。

それに続く不安としては、「自分が介護できなくなったときに誰がみるか」と「貯金や資金面で生活をまかなっていけるか」が続いています。

出典:データを基に編集部が作成

対策は相談できる人の確保

では、今後の生活への不安に対して、どのような対策が取られているのでしょう。

一番多いのは「特に何もしていない」で、ほぼ5割でした。

認知症の家族との共同生活に対して、不安は多いものの、具体的な対策が乏しい状態であることが分かります。

実効性のある対策としては、「様々な相談に乗ってくれる機関やコミュニティや窓口、知人などをつくっておく」を4割の人が挙げています。

認知症の家族と自分だけとの閉鎖的な関係に陥らないように、常に相談できる人を確保し、介護保険などを利用して第三者の目が届く環境を作るように働きかけましょう。

[シニアガイド編集部]