老後が安心と考えている30代は15%しかいない

[2018/11/7 00:00]

老後の暮らしに関する意識調査

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)が、「くらしとお金に関する調査 2018」の結果を公開しています。

この調査は2018年10月にインターネット経由で行なわれ、20代から70代の男女1,200人が回答しています。

この記事では、老後の暮らしに関する内容を紹介します。

老後に不安を感じている人は70%以上

「老後の暮らしについての意識」を安心か不安かで聞いています。

老後に「不安」または「どちらかといえば不安」という回答は70%を超えています。

「安心」または「どちらかといえば安心」と答えた人は、26%に留まりました。

つまり、回答者のうち「老後が安心」と感じている人は、4人に1人しかいません。

出典:データを基に編集部が作成

60代までと、それ以降では安心感が違う

老後の暮らしについてに対して安心感を持っている割合は、回答者の年齢によって大きく異なります。

「20代」から「50代」までは、安心と感じている人は少なくなっています。

特に30代では、安心と感じている人は15%しかいません。

逆に言えば、85%の人は「老後の暮らしが不安」と考えています。

しかし、「60代」では、安心と感じている人が30%を超え、「70代」では40%を超えています。

この調査では、安心感の理由は聞いていません。

しかし、60代が節目であることから、公的年金の支給が始まることが大きく影響していると推測されます。

つまり、実際に定年退職し、年金が支給される生活が始まると、想像していたよりはなんとかなるという感触を持つ人が多いのでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

老後の不安は「お金」と「健康」

「老後の暮らしで、不安に感じること」で、一番多い回答は、「老後の生活設計」でした。

あまり差がなく「自身の健康」が並び、「家族の健康」と「年金」が続きます。

老後の生活の不安は、「お金」と「健康」であると言えるでしょう。

出典:日本FP協会

資産対策は「長く働くこと」

老後のお金について、資産を減らさないための対策を聞いています。

「現役で働く期間を延ばす」が多く、「生活費の節約を心がける」が続きます。

この2つが、資産を保つ手段として意識されています。

また、「健康に気を配り医療費を削減する」や「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」を挙げている人も目立ちます。

いずれも、効果はありそうですが、実行するには難しい対策が並んでいます。

出典:日本FP協会

最後は「公的年金」が頼り

最後に、「老後のための資産形成において、どのような制度が有効だと思うか」と聞いています。

一番多いのは、「公的年金」でした。

いろいろと不安は抱いているものの、公的年金は老後の生活の柱であると意識されています。

そして「私的年金(民間の個人年金、企業年金など)」が続きます。

「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「NISA(少額投資非課税制度)」「つみたてNISA」など、比較的新しい制度を挙げている人は、1割前後に留まりました。

出典:日本FP協会
[シニアガイド編集部]