定年時に「離婚」を考えている人は2割、「卒婚」は5割以上

[2018/11/12 00:00]

1万2千人に聞いた結婚の実情

シンクタンクの明治安田生命福祉研究所が、「人生100年時代に向けた意識調査」の結果を公開しています。

2018年6月に行なわれたインターネットアンケートには、40~64歳の男女12,000人が回答しています。

ここでは、既婚者を対象にした「定年離婚」と「卒婚(そつこん)」の調査結果を紹介します。

定年離婚を考えた人は2割前後

回答者のうち、既婚者を対象に「自分や配偶者の定年を期に離婚しようと考えたことがある」かと聞いています。

子供のいる男性は19.6%、女性は28.1%で、子供がいない男性は11.1%、女性は13.3%でした。

定年離婚を考える人は、子供がいる方が多く、男性よりも女性が多くなっています。

出典:データを基に編集部が作成

定年離婚を考えた理由

定年離婚を考えた理由は、男女で違っています。

男性は、「愛情が感じられない」が多く、「退職後に一緒に生活するのが耐えられない」「性格や価値観の不一致に耐えられない」の順です。

女性は、「退職後に一緒に生活するのが耐えられない」が多く、「性格や価値観の不一致に耐えられない」「愛情が感じられない」の順でした。

特に「退職後に一緒に生活するのが耐えられない」は、男女で大きな差があり、定年後の男性が家庭に入ることについては、覚悟と配慮が必要なことが分かります。

出典:明治安田生命福祉研究所

賛成する人の方が多い「卒婚」

定年後の選択肢として、「離婚」以外に、「卒婚」もあります。

この調査では「卒婚」を、 「離婚はしないが、 配偶者に必要以上干渉せずに、自分のライフスタイルを楽しむ夫婦関係を営なむこと」と定義しています。

つまり、籍は残しているが、お互いに干渉しあわない関係になると考えれば良いでしょう。「夫婦」というより「同居人」という感覚でしょうか。

「卒婚」を「良い」または「どちらかといえば良い」と考える人は多く、男性では5~6割、女性では7~8割に達します。

少なくとも半分以上の人は「卒婚」を好ましく思っているわけで、相手から提案される可能性は離婚よりも高いと見てよいでしょう。

そして、「卒婚」を良いとする人は、年齢が高いほど多くなります。

実際に、「定年」が視野に入ってくると、離婚はしないまでも、相手との距離を取りたいという気持ちが強くなるのでしょう。

出典:明治安田生命福祉研究所

計画を考える前に意志の確認を

定年退職後の人生を考えるときには、夫婦の関係が今までどおりであることを前提にしてはいけません。

例えば、Uターンを含む移住や、独立起業、転職など、夫婦二人の人生に関わるような大きな変更を自分の思い込みだけで判断してはいけません。

配偶者から、「離婚」や「卒婚」を提案される可能性がないとは言えませんから、必ず、配偶者の意志を確認しましょう。

夫婦二人で行動することを前提とした計画を進めても、相手にその意志がなければ、計画は根底から崩れてしまうのです。

[シニアガイド編集部]