親から言ってもらわないと手がつけられない「親の終活」
自分の親の終活についてのアンケート
終活関連サービスを提供する鎌倉新書が「親の終活に関する意識調査」の結果を公開しています。
2018年10月に行なわれたインターネットアンケートには、40歳以上で自分の親が存命の男女548人が回答を寄せています。
終活については、親から相談してほしい
「親の終活」について、親から相談されたいか、自分から相談したいかを聞いています。
「親から相談してほしい」人は7割を超え、「自分から親に相談したい」人は3割止まりでした。
「親の終活」は親の死が前提になることなので、子どもからは話を切り出しにくいことが分かります。
分かってはいても、手がつけられない
回答者の9割以上は、「親の終活に関して一緒に取り組んでおかないと困ることがある」と認識しています。
しかし、5割以上の人が「特に考えている・取り組んでいることはない」と回答しています。
つまり、親の終活をやらないとまずいとはわかっていますが、実際に手を付けている人は半分もいません。
生きているうちに聞いておかないと困ることは多い
では、子供の立場から見て、親の終活には、どんな課題があるのでしょうか。
まず、「一緒に取り組んでおかないと困る」ことを見てみましょう。
これは、親が亡くなった後の始末に関することが上位に入っています。
真っ先に挙がっているのが「持ち物の整理」で、二番目も「財産の整理」が続いています。
子供としては、親の持ち物や財産には、親に相談なく手を付けることが難しいことが分かります。
三番目には「お葬式」が入りました。
これは、連絡しなければならない人のリストなど、親でないと分からないことが多いためでしょう。
「どんな葬儀にしたいのか」という親の希望も聞いておきたいところです。
次に「一緒に取り組みたい」項目を見てみましょう。
こちらは「介護」「お葬式」「終末医療」などが、ほぼ並んでいます。
いずれも、選択肢が多く、本人の希望を聞いておかないと、本人の意志に反した選択をしてしまう可能性があるものです。
特に、人生の最後である終末期に、一度も親の希望を聞いていない状態で、子供が単独で選択をしなければならない状況はキツイものがあります。
そして、その選択が本当に正しかったのかという後悔は、親の死後も後を引きます。
それ以外の項目も、親が生きているうちに、聞いておかなければならないことばかりです。
何かのきっかけが必要
終活について、子どもは「親と一緒に取り組みたい」という思いが強く、「親から相談してほしい」。
親の終活について「把握しておかないと困る」と認識しているが、実際に手を付けるには至っていないことが分かります。
「迷惑をかけたくないから終活を切り出せない」親と「自分からは切り出しづらいが、相談してほしい」子が、双方を思いやるが故に、必要性を感じているものの、一緒に取り組めてないのでしょう。
「終活について話をするきっかけ」となるようなイベントが必要なのでしょう。
親戚の葬儀や法事、帰省したときの墓参りなどがチャンスかもしれません。