たとえ儲かりそうでも、元本割れの可能性があると、8割以上の人が買わない

[2018/11/29 00:00]

「元本割れ」のリスクと戦える人は少ない

老後対策の記事を読んでいると、「老後は自分で働かず、お金に働いてもらいましょう」などと言って、投資を勧める記事が、よくあります。

しかし、投資というのはリスク(危険)が伴うものですから、投資した金額が減ってしまうことがあります。

これを「元本割れ(がんぽんわれ)」と言います。

大切な自分のお金が減ってしまうのですから、元本割れが好きな人はいません。

では、どれぐらいの人が、元本割れのリスクがあっても、投資を決断できるのでしょうか。

金融広報中央委員会が公開した「家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯の調査」から、それに関する情報を紹介します。

元本割れの可能性がある商品を持つ人は少ない

まず、「現在保有している金融商品」を見てみましょう。

一番多いのは「預貯金」で、ほとんどの人が口座を持っていて、お金を預けています。

次が生命保険や損害保険会社の「積立型保険」です。

毎月一定の掛金を預け、将来戻ってくる金額が決まっている保険ですね。

三番目が「個人年金保険」です、これも契約の時点で利回りが決まっており、戻ってくる金額は確定しています。

「元本割れ」の危険がある「株式」や「投資信託」は、その次で、20%を切っています。

どうも、元本割れのリスクがある金融商品を持っている人は、あまり多くないようです。

出典:データを基に編集部が作成

投資先を選ぶ理由は「元本が保証されている」

「金融商品を決める時に、どこに重点を置くか」と、決める理由を聞いています。

すると、一番多いのが「元本が保証されているから」でした。

やっぱり、みなさん、元本割れだけは避けたいと思っているのです。

出典:データを基に編集部が作成

8割以上の人は「元本割れ」を避ける

もう少し具体的に、「元本割れの可能性があるが、収益性が高いと見込まれる金融商品を保有しますか」と聞いています。

なんと、80%を超える人が「そうした商品を保有しようとは全く思わない」と答えています。

「そうした商品についても、一部は保有しようと思う」人は16%、「積極的に保有しようと思う」人は3%しかいません。

出典:データを基に編集部が作成

4人に1人は元本割れを経験している

ちなみに「運用していた資金が元本割れした経験がある」人は、25%います。

そして、元本割れを経験した人の70%は、その結果について「自分の相場についての予想が外れたのであるから、それは仕方がない」と考えています。

また、「自分が相場の変動によって元本割れするリスクをよく理解していなかったのであるから、それは仕方がない」と思っている人も16%います。

もし、あなたも、このように考えられるのなら良いのですが、そうでなければ、元本割れのリスクがある商品には手を出さないようにしましょう。

そうすることで、元本割れが怖くて値動きから目が離せなかったり、元本割れを悔やんで自分を責めてしまうような事態を、あらかじめ避けることができます。

お金を増やすことも大切ですが、日常生活を楽しく過ごすための心の平安の方がずっと大切なのですから。

[シニアガイド編集部]