首都圏の賃貸住宅の空室率は、来年も上がる

[2018/12/6 00:00]

2019年の賃貸住宅の見通し

不動産評価Webサイトを運営するタスが、「2019年首都圏賃貸住宅市場の見通し」を公開しています。

タスでは『世帯数の増加数が過去1年と同程度、着工数が過去1年の90%程度と仮定すると、2019年の東京23区の需給ギャップは、緩やかに拡大すると考えられ、これに伴ない東京23区の空室率TVIも、2019年は悪化基調で推移すると考えられます。』としています。

結論としては、「東京23区の賃貸住宅の空室は、2019年も増える」と予測されています。

なお、文中の「空室率TVI」は、タス空室インデックスの略で、タスの基準によって計算された空室の割合です。

出典:タス

23区以外も空室率が上がる傾向

また、23区以外の地域についても、次のように、空室率が上がる方向で予想されています。


 東京市部の需給ギャップは、引き続き拡大傾向で推移すると考えられ、これに伴い東京市部の空室率TVIも2019年は悪化傾向で推移すると考えられます。

 神奈川県の需給ギャップは、前半は拡大が継続しますが、着工数の減少が継続すると後半は拡大幅が徐々に縮小し横ばいとなると考えられます。これに伴い空室率TVIも2019年の前半は悪化傾向、後半は横ばい傾向で推移すると考えられます。

 埼玉県の需給ギャップは、前半は拡大傾向が続き、後半は縮小に転ずると考えられます。埼玉県の空室率TVIは需給ギャップに対し半年程度遅延して動いていますので、空室率TVIは、2019年は悪化傾向で推移し、2020年以降改善傾向に転ずると考えられます。

 千葉県の需給ギャップは、拡大傾向で推移すると考えられ、これに伴い空室率TVIも2019年は緩やかな悪化傾向で推移すると考えられます。

賃貸住宅の需給ギャップが広がり、空室率が上昇すれば、賃貸料などが下がる可能性があります。

借りる側の人も、家主側の人も、来年の予想として、頭に入れて置きましょう。

[シニアガイド編集部]