50代から正規雇用が難しくなる中高年の転職
企業側に聞いた中途採用の状況
人材サービス会社のマイナビが「ミドルシニア採用企業レポート」を公開しています。
この調査では、40代以上を「ミドルシニア」と定義しています。
2018年9月から行なわれたインターネット調査では、ミドルシニアを中途採用した会社の人事担当者1,820人が回答しています。
正規雇用は50代になると大きく減る
「過去3年間の中途採用状況」を年代別に聞いています。
正規雇用の場合、「30代」が一番多く、「20代」と「40代」が続きます。
「50代」になると、中途採用される率が大きく下がり、30%を切ります。
さらに「60代」になると、50代の半分以下になります。
「50代」と「60代」の転職では、正規雇用が難しくなっていくことが分かります。
非正規雇用は年代による変化が少ない
一方、非正規雇用の場合、「20代」から「40代」まで、あまり変化がありません。
「50代」「60代」になっても、20%以上を確保しています。
特に、「60代」では、正規雇用が12%なのに対して、非正規雇用は、その倍の24%もあります。
「60代」で転職する際は、正規雇用にこだわらない方が、就職しやすいことが分かります。
40代以上の人を採用する理由
企業の担当者は、どんな理由で40代以上の人を採用しているのでしょうか。
アンケートの上位5位までを、年代別に見ていきましょう。
40代の採用理由
- 豊富な経験
- 年齢は関係ない
- 専門性が高い
- 定着が期待できる
- モラルや責任感が高い
「40代」では、「豊富な経験」や「専門性が高い」が上位に入っています。
50代の採用理由
- 豊富な経験
- 年齢は関係ない
- 専門性が高い
- モラルや責任感が高い
- 様々な環境に適応できる
「50代」でも大きな変化はありませんが、「様々な環境に適応できる」が入っています。
一方、「定着が期待できる」が下位に下がっています。
60代の採用理由
- 豊富な経験
- 年齢は関係ない
- 給与を安く抑えられる
- 専門性が高い
- 若い人が採れない
さらに「60代」になると、採用理由が大きく変わってきます。
「給与を安く抑えられる」と「若い人が採れない」など、企業側の本音と思われる回答が上位に入っています。
「50代」からは、ある程度の覚悟を
アンケートの結果を見ると、以前のように「転職は35歳までが適齢期」ということを意識する必要は、あまりなくなっているようです。
実際に、「40代」は正規雇用される割合も高く、雇われる理由も「経験」や「専門性」など前向きな理由が多くなっています。
しかし、「50代」になると、正規雇用される割合が下がります。
そして、「60代」になると、正規雇用は難しくなり、雇われる理由も「給与を安く抑えられる」と「若い人が採れない」など、後ろ向きな理由が上位になっています。
40代以降に転職を考える際は、自分の年齢が高くなればなるほど、厳しい状況が待っていることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
また、正規雇用に比べて、非正規雇用は年齢へによる変化が少ないことが分かりました。
正規雇用での就職が難しい場合は、非正規雇用も検討してみましょう。