「18歳」の人口は、2030年までに1割以上減る
少子化が分かる18歳の人口
高等教育の調査研究を行なっているリクルート進学総研が、「18歳人口の推移」という面白いデータを公開していました。
文部科学省のデータを基にして、2030年までの18歳人口の予測を行なっており、少子化の一つの現われとして興味深い結果となっています。
「少子高齢化」少子化が体感的に分かる数字としても、面白い結果が出ています。
4つの大きな動き
2030年までの18歳人口の変化には、4つの特徴があります。
- 全国の18歳人口は、2030年までに13万人減る。
- 2024年までの5年間に大きく減少し、いったん底を打つ。
- 減少数が大きいのは近畿地方で、2万8千人も減少する。
- 減少率が高いのは東北地方で、2030年には20%以上も減る。
順番に、内容を見ていきましょう。
減少数が大きい「近畿」
まず、2018年と2003年の18歳人口を比較します。
全国の18歳人口は、2018年の118万人から、2030年は104万8千人へ、13万2千人減少します。
地域別に見ると、18歳人口が多いのは、東京を含む「南関東」が1位です。
大阪や京都を含む「近畿」が2位ですが、2030年までに2万人以上も減ると予想されています。
18歳人口が減る割合は、全国平均並みなのですが、もとの人口が多いので、減る人数が多いのです。
2018年の3位は、名古屋を含む「東海」ですが、2030年には「九州沖縄」が逆転します。
減少率が高い「東北」
次は、2030年までの動きを、減少率で見てみましょう。
2018年の18歳人口を100%とすると、2030年は全国で88.8%まで下がります。
18歳の人口は12年間で10%以上も減少するのです。
ただし、一直線に減るのでなく、2024年でいったん底を打ち、少し戻ります。
地域別に見ると、減少幅が大きいのは「東北」で70%台まで落ちてしまいます。
2018年に比べ、20%以上も減る予想です。
逆に、減少幅が少ないのは「九州沖縄」と「南関東」で、5%ちょっとしか落ちません。
特に、「沖縄県」は、全国の都道府県で唯一、18歳人口が増える見込みです。
18歳人口が減らない「九州沖縄」
今回の調査によって、18歳の人口という分かりやすい形で、少子化の動きを見ることができました。
また、地域別に大きな差があり、「南関東」と「九州沖縄」の人口減少が少ないことが分かりました。
特に「九州沖縄」の18歳人口は、2030年には「東海」を抜いて、3位に上がる勢いです。
また、全国規模で見ても、2018年からの12年間で、18歳人口が1割以上も減ることが分かりました。
18歳の人口が実数で13万人以上も減るのですから、大学への進学にあたっても大きな影響が出るでしょう。
特に減少率が20%以上もある「東北」の影響は大きいでしょう。
少子化や教育について考えるときに、前提として覚えておきたい結果です。