日本生命が、入院時の身元保証や葬儀/納骨などのサービスを提供
身元保証や死後の処理を委託できるサービス
日本生命は、高齢者のサポートサービス「GranAge Star(グランエイジ スター) ～老後も、その後も、自分らしく。～」の提供を、2019年4月1日に開始します。
GranAge Starは、日本生命の保険契約者を対象に、生前の身元保証や通院の付き添い、死亡した後の葬儀や納骨などを総合的にパッケージ化した有償サービスです。
当初は、多摩ニュータウン周辺の、多摩市、立川市、日野市などで案内し、徐々にエリアを拡大します。
日本生命の立場は『紹介』
GranAge Starにおける日本生命の役割は、契約者への『紹介』です。
実際のサービスの多くは、特定NPO法人のりすシステムが提供します。
そのため、サービスを利用する際は、りすシステムとの契約が必要となります。
主なサービスはりすシステムが提供
りすシステムが提供するサービスは、主に次の4つです。
- 病院への入院時や、施設への入所時に保証人となる「身元引受保証」
- 日常の生活支援
- 任意後見
- 葬儀や納骨など亡くなったあとの対応
これに、相談窓口である「暮らしのサポートデスク」などを組み合わせ、パッケージとして提供します。
提供されるパッケージには、旅行代理店のクラブツーリズムによる特別企画付きシニア旅行の案内も含まれます。
日本生命では、このように、すべてパッケージされたサービスのご紹介は国内生命保険業界では初めてとしています。
現時点では、サービスの提供価格などは明らかにされていません。
ただし、りすシステムが単独で提供している「総合保証パック100」の申込金が100万円なので、それに近い金額になると予想されます。
「これまでに培った消費者からの信頼に応えるサービスを期待」
GranAge Starの特徴は、日本生命という大手保険業者が、NPO法人と協業してサービスを提供する点にあります。
しかし、GranAge Starが提供しようとしている、高齢者向け身元保証サービスの業界は、これまで玉石混交と言って良い状態でした。
例えば、2016年に倒産した「日本ライフ協会」のように、本来は信託銀行等に預け入るはずの供託金を、他の事業に流用していた例もありました。
このような状況を踏まえて、公益社団法人 全国消費生活相談員協会の増田悦子理事長は、今回のサービス開始に対して、次のようなコメントを寄せています。
高齢社会に突入し、医療機関における身元保証サービスや生活支援、死後事務等に関するサービスを必要とする高齢者は、今後益々増えると思われます。しかし、今までにないサービスが多く、事業者の信頼性やサービスの質、価格の妥当性等に不安があります。
また、契約時や実際にサービスを受ける際に、当事者である高齢者が適切な判断ができるかという問題もあり、消費者から信頼されている企業による、安全安心なサービスの提供が望まれます。
これまでに培った消費者からの信頼に応えるサービスを期待しています。
サービスを『紹介』する立場の日本生命が、実際にサービスを提供する団体をどのように導いていくかが、この新しい試みの成否を決めることになるでしょう。