東京都の調査で分かった、独身でいる人の3つの特徴
未婚の都民3千人が回答
東京都が、都内の未婚者を対象にしたインターネット調査の結果を公開しています。
2018年7月から8月にかけて行なわれた調査には、都内在住の18歳以上50歳未満の未婚の男女3,211人が回答しています。
調査項目は膨大なので、ここでは、調査結果から分かった、特徴的なトピックを3つ紹介します。
未婚者は家族と暮らしている人が多い
年齢が若い回答者は、親と同居している人が多くなっています。
この調査でも、「18~19歳」の男女は、70%以上の人が「父母」と同居しています。
「一人暮らし」をしている人は20%前後しかいません。
しかし、年齢が高い回答者も、親と同居している人が多いのです。
典型的な例として、「40代前半」の男女について見てみましょう。
男性の場合、「一人暮らし」が52.5%、「父母と同居」が45.6%です。
「一人暮らし」の方が多いのですが、大きな差はありません。
半分近い回答者が、親と同居しているのです。
女性の場合は、この傾向がもっと強く、「一人暮らし」が43.0%、「父母と同居」が48.7%です。
つまり、親と同居している人の方が、一人暮らしの人よりも多いのです。
さらに、「兄弟姉妹」や「祖父母」と同居している人もいます。
これだけ濃密な家族関係の中で暮らしていると、結婚によって、新しい人間関係や家族を作ろうという気力は湧きにくいかもしれません。
女性は40代になると結婚する気が薄れる
回答者の中で、「いずれ結婚するつもりがある」という人の割合を年代別に見ると、男女間の違いがはっきりと表れます。
「30代」までは、女性のほうが結婚するつもりがある人が多く、男性を上回っています。
しかし、「40代」に入ると、結婚するつもりがある人は20%も少なくなります。
そして、「40代後半」になると、結婚するつもりがある人は3人に1人になってしまいます。
一方、男性は30代後半と40代前半では、ほとんど差がありません。
「40代後半」になっても、まだ44%の人は、結婚するつもりがあります。
今回の報告書では、女性が40代になると、結婚から意識が離れる理由は分析されていません。
ただ、不妊治療の年齢制限が「43歳未満」であるように、40代になると妊娠して子供を作る可能性は低くなります。
「自分の子供が持てないのであれば、あえて結婚する必要はない」と考える人がいても、不思議はないでしょう。
男性は年下が大好き
「いずれ結婚するつもり」と回答した人には、「何歳ぐらいの相手と結婚したいか」と聞いています。
ここでは、「40代前半」の人のグラフを見てみましょう。
男性は、自分より年下の「30代前半」と「30代後半」という回答が多く、自分と同じ「40代前半」を上回っています。
女性は、自分と同じ「40代前半」と、ちょっと年上の「40代後半」を希望する人が多くなっています。
つまり、「男性は自分より5~10歳年下、女性は自分と同じか5歳年上を希望する人が多い」のです。
そして、「40代後半」になると、男女の違いが更に強くなっていきます。
40代後半の男性の希望する結婚相手は、「30代後半」という回答が32%で最多です。
自分より年下であっても「40代前半」になると15%まで減ってしまいます。
さらに、自分と同じ「40代後半」と結婚したいという男性は14%しかいません。
どうして、40代の男性は、結婚する相手を「30代」までに限定してしまうのでしょう。
推測になりますが、「30代までの女性と結婚して、自分の子供を残したい」という人が多いのではないでしょうか。
なお、40代後半の女性が望む結婚相手は、自分と同じ「40代後半」が一番多く、つぎは5歳年上の「50代前半」です。
つまり、40代後半の女性は、同じ年代の男性と結婚しても良いと思っているのに、男性はもっと年下と結婚したいと思っているので、出会いが少なくなっている可能性が高いのです。
何のために結婚するのか
3つのトピックを見てくると、「自分の子供や家族を持つ」という目的が、結婚に大きな影響を与えていることが分かりました。
子供を持つということは、今回の調査で聞いている「結婚することの具体的な利点」では、どのように評価されているのでしょう。
多い順に5つ見てみましょう
- 精神的にやすらぎの場が得られる 46.7%
- 自分の子供や家族が持てる 40.7%
- 現在愛情を感じている人と暮らせる 33.1%
- 経済的に余裕が持てる 22.7%
- 親を安心させたり、周囲の期待に応えられる 21.1%
「自分の子供や家族が持てる」は、1位ではありませんが、結婚の利点として考えている人が多いことがわかります。
「結婚」について迷うことがあったときは、自分が結婚したい理由(または、結婚した理由)が、上のどれにあたるのか、もう一度考えてみると、いろいろな選択肢が見えてくるかもしれません。