年間1万5千人以上が、認知症が原因で行方不明になっている
[2019/1/8 00:00]
警察庁による行方不明者の統計
警察庁が公開している「行方不明者」の統計から、認知症が原因で行方不明になっている人の状況を紹介します。
統計の対象となった期間は、2017年の1年間です。
行方不明者の2割近くは認知症が原因
警察庁に届け出があった行方不明者は、2017年には「84,850人」でした。
そのうち、認知症が原因となっているのは「15,863人」です。
これは、行方不明者全体の18.7%にあたります。
行方不明者の2割近くは、認知症が原因となっているのです。
認知症による行方不明者は増え続けている
「認知症」による行方不明が、単独で集計されるようになったのは2012年でした。
2012年には「9,607人」でしたが、2013年に1万人を超え、その後も増え続けています。
この期間中に、行方不明者全体の数は、8万人前後で横ばいで推移しています。
認知症による行方不明者の割合は、年々増え続けているのです。
「70代」になると増え始める
認知症による行方不明者を、年齢別にみると、「70代」と「80代以上」がほとんどを占めています。
高齢になればなるほど、認知症による行方不明に対する注意が必要なことが分かります。
届け出の当日に7割以上は見つかる
認知症による行方不明者は、届け出があった当日に7割以上が見つかっています。
1週間以内に見つかる割合は「99.3%」で、行方不明者全体の82.7%よりも高いのが特徴です。
ただ、認知症による行方不明の場合、警察に届けるのは、家族や周囲の人がかなり手を尽くした後のことが多いので、それは考慮する必要があるでしょう。
なお、長期間にわたり行方不明になっている場合は、厚労省による、各市町村において保護された身元が不明な認知症高齢者の情報も確認してみましょう。