Amazonギフト券を配る泉佐野市のキャンペーンを、総務大臣が強く非難

[2019/2/10 00:00]
石田総務大臣

「身勝手な考え」「悪影響が大きい」と非難

石田総務大臣は、大阪府 泉佐野市が行なっている「『100億円還元』閉店キャンペーン!」を非難するコメントを公開しました。

このコメントは、2月8日の記者会見の席で公開されたものです。

石田総務大臣は、「会見でやり取りしますと、いろいろ誤解があってはいけませんので、総務大臣コメントという形で、文書の形で出させていただきました」としてコメントを公開しました。

泉佐野市のキャンペーンに対しては、「制度のすき間を狙って明らかに趣旨に反する返礼品によって寄附を多額に集めようとすることは、自分のところだけが良ければ他の自治体への影響は関係がないという身勝手な考えであり、このような考えがまかり通れば、社会的にも、教育的にも、悪影響が大きいと考えています。」と強く非難しています。

泉佐野市(大阪府)は、2月6日に、ふるさと納税を申し込んだ人全員にAmazonギフト券をプレゼントする「『100億円還元』閉店キャンペーン!」を開始し、特設サイトがつながりにくくなるほどの注目を集めています。

石田総務大臣による特定の自治体の非難は、Amazonギフト券で249億円を集めた静岡県小山町(おやまちょう)に続くものです。

【石田総務大臣記者会見(2019年1月11日)】
3分10秒あたりから「ふるさと納税」に関する質問 出典:総務省動画チャンネル

石田総務大臣 コメント全文


総務省大臣コメント
平成31年2月8日

 ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝える制度であるとともに、税の使い道を自分の意思で決めることができる制度です。

 この制度から、例えば災害時の被災地支援としての活用など、良い事例が生まれてきています。

 また、ふるさと納税は、人口減少が深刻化する中で、地域資源を最大限活用し、地域経済を再生させていく上で、重要な役割を果たしており、全国のほとんどの自治体の皆さんも、この制度を大事に思い、健全に発展させていきたいという思いを共有していただいております。

 さらに、都市部の住民のうちには、地方にふるさとや強いつながりを持つ方々が多数おられることから、その方々の地方への思いの現れとして行われるふるさと納税については、都市自治体にも理解いただけるという仕組みであり、都市と地方それぞれの自治体が制度の趣旨を踏まえた対応をすることで成り立つ制度であります。

 泉佐野市が新たにキャンペーンでプレゼントするというギフト券は、「地場産品」でもなければ、「返礼割合3割以下」でもなく、また、地域活性化にもつながりません。

 多くの自治体が財源確保に苦しんでいる中、総務大臣からの度重なる要請を無視して、制度のすき間を狙って明らかに趣旨に反する返礼品によって寄附を多額に集めようとすることは、自分のところだけが良ければ他の自治体への影響は関係がないという身勝手な考えであり、このような考えがまかり通れば、社会的にも、教育的にも、悪影響が大きいと考えています。

 また、既に制度の趣旨に沿った見直しを行った自治体や、都市部の自治体の皆さんの理解を得ることは到底できず、ふるさと納税制度の根幹を揺るがし、制度の存続を危ぶませるものと考えています。

 このたび、ふるさと納税制度を守り、健全に発展させていく観点から、返礼品を送付する場合には、返礼品を「返礼割合3割以下」かつ「地場産品」とする制度の見直しを行うこととし、ほとんどの自治体の皆さんには、既に制度の趣旨に沿った見直しをしていただいています。

 各自治体の皆さんにおかれては、制度の趣旨を踏まえた良識あるご対応をお願いいたします。

[シニアガイド編集部]