不正統計で発生した「雇用保険」と「労災保険」の追加給付は、いつもらえるのか
不正統計によって「追加給付」が発生
厚労省が、不正な統計による「雇用保険」と「労災保険」の追加給付について、日程を発表しました。
追加給付が必要になったのは、先日、2004年以降の厚労省が行なった調査に不正が発覚したためです。
その不正により、保険の給付額を算定するための基準が低めになっており、支給額が本来の金額よりも低く計算されていました。
つまり、本来もらえる金額よりも、支給額が少なくなっていたので、その差額が追加給付されるわけです。
この記事では、追加給付の時期や金額について、現状で分かっている目安を紹介します。
対象となる給付期間
追加給付の対象となるのは、雇用保険、労災保険、船員保険、事業主向け助成金の4つです。
対象となる時期は、それぞれ異なります。
- 「雇用保険」2004年8月以降
- 「労災保険」2004年7月以降
- 「船員保険」2004年8月以降
- 「事業主向け助成金」休業等期間の初日が2004年8月から2011年7月の間であったか、2014年8月以降であった事業主など
調査の不正は2004年以降ですから、それ以前の給付については影響がありません。
なお、それぞれの保険について、対象となる給付とならない給付があります。
まだ、変更になる可能性もあるので、対象となる給付で確認してください。
追加給付は、どれぐらいもらえる
現時点では、個人ごとの給付金額は計算できていません。
おおよその目安として公開されているのは給付の一部です。
もともと差額ですから、過度の期待はしないほうが良さそうです。
- 「雇用保険」1回の受給につき追加支払額の平均は約1,400円
- 「労災保険」労災年金の追加支払額の平均は約9万円
- 「労災保険」休業補償の1カ月当たりの追加支払額の平均は約300円
- 「船員保険」追加支払額の平均は約15万円
追加給付は、いつもらえる
追加給付は、いつ、もらえるのでしょうか。
「現在受給している」場合は、お知らせが3月以降の今年前半から始まり、一部は年末になります。
その1カ月後ぐらいから、追加給付が始まります。
「過去に受給していた」場合は、お知らせは今年後半から年末にかけてになります。
支払い開始は9月~11月頃になるでしょう。
ただし、船員保険は早く、4月頃からからお知らせや支給が始まりそうです。
個別の時期については、下の表を参照してください。
ハローワークで説明を受ける場合も
追加受給を受けるためには、どんな手続が必要になるのでしょうか。
「現在受給している場合」は、原則として新たな手続きは不要です。
ただし、過去に受給した分については、ハローワークの窓口で説明を受けてから支払うことになります。とりあえず、ハローワークからの連絡待ちで良いでしょう。
「過去に受給していた場合」は、「お知らせ」が郵送され、振込先などの返信をしてからになります。
こちらも、「お知らせ」の郵送待ちということになります。
念の為に関係書類はまとめておこう
追加給付にあたって、どんな書類が必要になるでしょうか。
基本的には、必ず必要な書類はありません
ただし、確認が必要になる可能性はゼロではありません。受給資格者証や被保険者証などがあれば、まとめて保存しておきましょう。
詐欺に気をつけて、気長に待つつもりで
2019年2月の時点では、統計の不正発覚から日が経っていないため、誰に対して、どれぐらいの影響があるのかも分からない状態です。
とりあえずは、対策の進行状況を見守りながら、連絡を待つようにしましょう。
なお、このような事件があると、「ATMを操作すると、追加給付が受け取れる」などの詐欺が必ず発生します。
今回の追加給付は、必ず確認があった上で、銀行振込によって行なわれます。ATMの操作では戻りません。惑わされないようにご注意ください。
あわてる必要はありませんから、年内には来るであろう連絡を待ちましょう。