ますます差が開く「協会けんぽ」の保険料率。「佐賀県」と「新潟県」では1%以上の差

[2019/2/22 00:00]

サラリーマンの健康保険は会社が半分持っている

サラリーマンの健康保険である「協会けんぽ」の保険料は、給与をもとにして計算した「標準報酬月額」という数字に、一定の「保険料率」を掛けて計算します。

例えば、月の報酬(給与)が「25万円~27万円」の範囲であれば、標準報酬月額は「26万円」となります。

それに「保険料率」を掛けた金額が「保険料」となるのです。

ただし、計算された保険料がまるごと掛かってくるのではなく、会社と従業員が半分ずつ負担します。

会社が従業員を雇うと、こういうところにもお金が掛かるのですね。

保険料率は都道府県ごとに異なっている

保険料を計算する基礎となる「保険料率」は、2009年までは全国共通で「10%」でした。

しかし、現在はその県の医療の状況を反映して、都道府県単位で保険料率が設定されています。

つまり、健康保険料は、会社(事業所)が立地している都道府県によって差が出てしまうのです。

2019年4月に払う分から適用される「平成31年度 保険料率」をもとにして、各都道府県の状況を見てみましょう。

保険料率が高い県 ベスト10

協会けんぽの保険料率が一番高い県は「佐賀県」でした。

昨年に続いての1位です。

ランキングには、九州や四国の県が目立ちます。

  1. 佐賀県 10.75%
  2. 香川県 10.31%
  3. 北海道 10.31%
  4. 徳島県 10.30%
  5. 長崎県 10.24%
  6. 福岡県 10.24%
  7. 岡山県 10.22%
  8. 高知県 10.21%
  9. 山口県 10.21%
  10. 大分県 10.21%

保険料率が安い県 ベスト10

一方、協会けんぽの保険料率が一番安い県は「新潟県」でした。

新潟県の保険料率は「9.63%」です。

こちらも、昨年に続く1位です。

一番高い佐賀県の「10.75%」と比べると、1%以上も差があります。

従業員一人の負担でも差が出ますが、従業員全員の保険料を半分払っている企業では、かなり負担に差が出るでしょう。

  1. 新潟県 9.63%
  2. 長野県 9.69%
  3. 富山県 9.71%
  4. 福島県 9.74%
  5. 静岡県 9.75%
  6. 埼玉県 9.79%
  7. 岩手県 9.80%
  8. 千葉県 9.81%
  9. 茨城県 9.84%
  10. 群馬県 9.84%

保険料率が上がった県 ベスト10

協会けんぽの保険料率が一番上がった県は「佐賀県」でした。

佐賀県は、昨年の10.61%から「0.14%」も上がっています。

つまり、佐賀県はもともとの保険料率が高いのに値上げが続いているのです。

他の県でも、目安である10%を超えていながら、さらに保険料率が上がっている県ばかりです。

  1. 佐賀県 10.75% +0.14%
  2. 香川県 10.31% +0.08%
  3. 和歌山県 10.15% +0.07%
  4. 高知県 10.21% +0.07%
  5. 岡山県 10.22% +0.07%
  6. 北海道 10.31% +0.06%
  7. 宮崎県 10.02% +0.05%
  8. 宮城県 10.10% +0.05%
  9. 鹿児島県 10.16% +0.05%
  10. 熊本県 10.18% +0.05%

保険料率が下がった県 ベスト10

保険料率が一番下がった県は「富山県」でした。

前年に比べて、0.1%下がって「9.71%」でした。

こちらのランキングでは、目安である10%を切っているのに、さらに値下がりしている県が多いことが分かります。

つまり、保険料率が高い県はさらに高くなり、低い県はさらに低くなっているのです。

両者の差は、ますます広がっていく傾向にあります。

  1. 富山県 9.71% -0.10%
  2. 福井県 9.88% -0.10%
  3. 青森県 9.87% -0.09%
  4. 愛媛県 10.02% -0.08%
  5. 千葉県 9.81% -0.08%
  6. 群馬県 9.84% -0.07%
  7. 埼玉県 9.79% -0.06%
  8. 茨城県 9.84% -0.06%
  9. 山梨県 9.90% -0.06%
  10. 福島県 9.74% -0.05%

介護保険料は全国共通

ここで掲載した保険料率は、健康保険のものです。

40歳から64歳の「介護保険第2号被保険者」が負担する、介護保険料は、全国一律の1.73%です。

例えば、東京都の場合、健康保険料の保険料率「9.90%」に、介護保険料率の「1.73%」を足して、「11.63%」となります。

40歳から64歳の従業員は、この半分を負担しますから、給与から天引きされる「11.63%÷2」で「5.815%」となります。

資料:全都道府県 2019年協会けんぽ保険料率

  • 北海道 10.31% +0.06%
  • 青森県 9.87% -0.09%
  • 岩手県 9.80% -0.04%
  • 宮城県 10.10% +0.05%
  • 秋田県 10.14% +0.01%
  • 山形県 10.03% -0.01%
  • 福島県 9.74% -0.05%
  • 茨城県 9.84% -0.06%
  • 栃木県 9.92% +0.00%
  • 群馬県 9.84% -0.07%
  • 埼玉県 9.79% -0.06%
  • 千葉県 9.81% -0.08%
  • 東京都 9.90% +0.00%
  • 神奈川県 9.91% -0.02%
  • 新潟県 9.63% +0.00%
  • 富山県 9.71% -0.10%
  • 石川県 9.99% -0.05%
  • 福井県 9.88% -0.10%
  • 山梨県 9.90% -0.06%
  • 長野県 9.69% -0.02%
  • 岐阜県 9.86% -0.05%
  • 静岡県 9.75% -0.02%
  • 愛知県 9.90% +0.00%
  • 三重県 9.90% +0.00%
  • 滋賀県 9.87% +0.03%
  • 京都府 10.03% +0.01%
  • 大阪府 10.19% +0.02%
  • 兵庫県 10.14% +0.04%
  • 奈良県 10.07% +0.04%
  • 和歌山県 10.15% +0.07%
  • 鳥取県 10.00% +0.04%
  • 島根県 10.13% +0.00%
  • 岡山県 10.22% +0.07%
  • 広島県 10.00% +0.00%
  • 山口県 10.21% +0.03%
  • 徳島県 10.30% +0.02%
  • 香川県 10.31% +0.08%
  • 愛媛県 10.02% -0.08%
  • 高知県 10.21% +0.07%
  • 福岡県 10.24% +0.01%
  • 佐賀県 10.75% +0.14%
  • 長崎県 10.24% +0.04%
  • 熊本県 10.18% +0.05%
  • 大分県 10.21% -0.05%
  • 宮崎県 10.02% +0.05%
  • 鹿児島県 10.16% +0.05%
  • 沖縄県 9.95% +0.02%
[シニアガイド編集部]