「オレオレ詐欺」の9割は「固定電話」への着信から始まる
オレオレ詐欺被害者の実状
警察庁が、「オレオレ詐欺の被害者によるアンケート結果」を公開しています。
このアンケートは、2018年8月から11月にかけて、警察官が面接を行なって聞き取りをしたものです。
アンケートには、オレオレ詐欺の被害者354人が回答しています。
ほとんどが「固定電話」から始まる
「犯人グループが、最初に接触してきた手段」は、ほとんどが「固定電話」でした。
「携帯電話の通話」は2.5%しかいません。
逆に言えば、固定電話に自動録音装置を付けたり、常に留守番電話にするなどの対策が有効であることが分かります。
なりすます人物は「息子」
「犯人がなりすましていた人」は、「息子」が7割を超えます。
息子以外では「孫(男子)」が1割ほどです。
電話をかけてくる犯人は男性が多いようで、「孫(女子)」や「娘」になりすます例は、ほとんどありません。
通話中から騙されている
「犯人が言っていることを信じたタイミング」は、「通話中」が9割を超えます。
さらに、「最初から」つまり「トラブルを聞く前」から信じている人が7割を超えます。
信じた理由は「息子(親族)の声にそっくりだったから」が最多でした。
自分の子供や親族であっても、電話を通した声は判断しにくいもののようです。
相談している人は「2割」
犯人に現金やキャッシュカードなどを渡してしまう前に、電話の内容を誰かに相談して人は2割しかいません。
7割以上の人は、誰にも相談せずに行動してしまうことが分かります。
なお、相談をしている人の相談相手は「家族/親戚」がほとんどでした。
警官を呼ばないと止まらない
被害者のうち、3割近くは「親戚以外の第三者から、思いとどまるように声をかけられた」と言っています。
声をかけた第三者のほとんどは「金融機関の職員」でした。
しかし、第三者から止められても、最終的にはお金やキャッシュカードを渡してしまっていることから、いったん思い込んでしまった人を止めることが難しいことが分かります。
また、被害者の4割近くは、渡すためのお金を金融機関ではなく、タンス預金や貸金庫など手持ちの状態でもっており、職員が止めにくい状態であったことが分かります。
止めることに成功した例では、「お金の使い道を聞かれた」だけにとどまらず、「支払いや手続きを一旦止めた」「警察官が来た」までやって、やっと止めています。
いったんオレオレ詐欺に騙されてしまった人を止めるときは、ここまでやらないと止まらないのです。
そういう機会があったら、使える手段をすべて使って全力で止めましょう。