平成元年新卒入社組が見た、30年間の職場の変化
[2019/3/9 00:00]
平成元年の新卒者へのアンケート
人財サービス会社のアデコが「平成元年新卒入社の社会人1,000人を対象にした調査」の結果を公開しています。
この調査は、平成元年(1989年)に新卒で入社した社会人男女1,000人を対象にしたもので、2018年12月にインターネットで行なわれました。
平成元年に新卒で入社したのであれば、回答者は50代が中心でしょう。
ちょうど、自分たちの社会人生活と重なった、平成の30年間の職場の変化を中心に聞いています。
ネットの導入が職場を変えた
「平成の30年間で印象に残っている職場環境の変化」を挙げています。
上位の5位まで紹介します。
- 1位:インターネットが普及し、仕事のやり方が変わった
- 2位:職場が禁煙になった
- 3位:個人用のPCが支給され、PCをベースに仕事をするようになった
- 4位:電話やFAXから、メールやチャットにコミュニケーション手段が変わった
- 5位:社員旅行などの会社のイベントが減った、無くなった
こうしてみると、インターネットの普及と、それに伴ってパソコンで仕事をすることが増えたという変化が大きかったことが分かります。
好ましい職場の変化
職場の変化について、もう少し詳しく見てみましょう。
まず、好ましい方向の変化です。
- 労働時間が短くなった
- 勤務形態が柔軟になり、仕事がしやすくなった
- 設備や機器の進歩により、仕事が進めやすくなった
- 子育てや介護と仕事の両立がしやすくなった
- 有給休暇が取得しやすくなった
- セクハラやパワハラなどのハラスメントが減った
これらの項目については、7割前後の回答者が、変化があったとしています。
好ましくない変化もあった
一方、あまり好ましくない方向の変化もありました。
- 会社からの手当や補助が薄くなった
- 退職金制度が後退した
- 福利厚生のレベルが下がった
これらについても、6~7割の回答者が、変化があったとしています。
これらの項目を見ていると、会社による社員への拘束感が緩んだ一方で、非常に手厚かった福利厚生が後退していることが感じられます。
会社と個人との関係が、一体感のある結びつきから、契約による関係へと変わったとも言えるでしょう。
平成の記憶は2つの震災
最後に「平成時代でもっとも印象に残っている出来事」を聞いています。
他を引き離して多かったのが「東日本大震災(平成23年/2011年)」でした。
半数近い回答者が、これを挙げています。
次に多いのが「阪神・淡路大震災(平成7年/1995年)」です。
回答者には、2つの震災が平成の記憶として残っているようです。
戦争が影を落とした「昭和」に対して、「平成」は自然災害が記憶に残る時代だったようです。