犯罪の入り口となりやすい「アポ電」の実例

[2019/3/20 00:00]

「アポ電」は犯罪の入り口

国民生活センターが、いわゆる「アポ電(あぽでん)」について、実例を公開し、警戒を呼びかけています。

「アポ電」とは、「アポイントメント電話」の略で、家族や公的機関を装い、家族構成や資産状況を聞き出したり、相手を信用させて犯罪に引き込むことを目的にかかってくる電話を指します。

「アポ電」は、振り込め詐欺のきっかけとなるだけではなく、最近では、強盗事件に「アポ電」が関わっているという報道もされています。

この記事では、国民生活センターに寄せられた、3つの相談例を掲載します。

【事例1】一人暮らしかどうかを確認

昨日、消防署の職員と名乗る人の電話で、「一人暮らしか」と聞かれ、「はい」と答えてしまった。
「何の用か」と聞くと、「災害時にすぐに救助できるように、一人暮らしか確認をしている」と言われたが、消防署がそのようなことをするとは聞いたことがなく不審な電話だった。(年齢不明 女性)

【事例2】銀行口座の残高を確認

先ほど市役所の職員を名乗る者から電話があり、「還付金がある。手続きをするので取引銀行と口座番号を知らせて欲しい。また、還付対象者になるかどうかの判断基準として口座残高が50万円以上かどうか確認したい」などと言われた。

不審に思ったが取引銀行を伝えると「後ほど、銀行から案内の連絡があるので待つように」と言われ、電話が切れた。(70代女性)

【事例3】二段階に分けて引き込む

先日テレビの制作会社を名乗る人から、「所得は500万より上ですか」などの質問があったが、「お金のことについては、答えることができない」と言って電話を切った。

今日、警察の協力団体を名乗る者から、「一週間前にテレビ番組に関して電話がなかったか。捜査で押収した名簿に名前が登録されているが、一つだけの団体からは削除できない」というので、「親戚に警察官がいるので相談してみる」と言うと、態度が変わり電話も切れた。(70代女性)

知らない電話番号に出るのは慎重に

国民生活センターでは、次の4項目のアドバイスを行なっています。

  • 知らない電話番号からの電話に出るのは慎重に。着信番号通知や録音機能を活用しましょう
  • 会話から個人情報が知られます。家族構成や資産状況を聞かれたらすぐに電話を切りましょう。また、家族を名乗る電話も一度切ってかけ直すことでトラブルを避けられます
  • 特に高齢者には日頃から家族や身近な人による見守りが大切です
  • 警察(警察相談専用電話 #9110)や消費生活センター等(消費者ホットライン 局番なしの188)に電話するなど、周囲に相談をしてください

なお、地方自治体によっては、高齢者向けに、電話の自動録音装置を無償で貸し出しています。

お住まいの市区町村などに確認し、利用できる場合は設置しておきましょう。

[シニアガイド編集部]