改葬した人の半分以上は、「一般墓」から「永代供養墓」へ
改葬をした人の実態を見る
お墓の情報サイト「いいお墓」が「お墓の消費者全国実態調査」の結果を公開しています。
2018年の1年間に、「いいお墓」経由で、お墓を購入した人に対するアンケートで、624人の回答がありました。
ここでは、改葬のためにお墓を購入した人について紹介します。
「改葬」は「墓じまい」や「お墓の引っ越し」を指す法律用語
アンケートの結果を見る前に、「改葬」についておさらいしましょう。
「改葬」は、以前に納骨していたお墓からお骨を取り出し、新しいお墓に納骨し直すことを言います。
「改葬」は、法律で使われている用語で、最近では「墓じまい」や「お墓の引っ越し」という言い方の方がなじみがあるでしょう。
「改葬」をする理由は、「墓が遠い」や「お墓を継いでくれる承継者がいなくなる」などが多いとされています。
つまり、現在のお墓を片付けて、お参りしやすい近い霊園や、お墓を継いでくれる子孫がいなくても供養しつづけてくれる「永代供養墓」に、お骨を移すことが目的となります。
改葬のためにお墓を買う人は1割を超える
今回の調査では、「改葬」のためにお墓を購入した人は、全体の14%でした。
意外なほど多くの人が、「改葬」のために新しいお墓を購入していることが分かります。
一般墓から永代供養墓へ移す人が多い
「改葬」をした人に、以前のお墓と、新しいお墓の、それぞれの種類を聞いています。
回答者の半分以上は、「一般墓から永代供養墓」へ移しています。
つまり、すでにあるお墓から、永代供養墓へ改葬する人が多いのです。
たぶん、「子供がいない」、または「負担となる墓を継がせたくない」などの理由で、一家のお墓を整理して永代供養墓に入れたのでしょう。
次に多いのが「一般墓から一般墓」への改葬です。
つまり、すでにある家のお墓を整理して、お墓参りしやすい霊園へ移す場合などです。
菩提寺にあったお墓を民間の霊園へ移して、お寺との関係を断つ場合なども含まれるでしょう。
最後に少数ですが、「永代供養墓から一般墓」へ移している人もいます。
例えば、親の意向で永代供養墓に入れたが、子供の意向で家のお墓を作り一般墓に移す場合です。
この場合、永代供養墓の納骨の方法が問題となります。
あまり知られていませんが、永代供養墓では、お骨の管理方法が2つあります。
一つは、骨壷のままお骨を一人ごとに分けてあり、永代供養墓から取り出すことができるものです。
もう一つは、お骨を骨壷から出して、一箇所にまとめて納骨する方法です。
後の方法では、事情が変わったからと言って、特定のお骨だけを取り出すことはできません。
永代供養墓から一般墓へと改葬が可能なのは、骨壷などにお骨が分けてある場合に限られるのです。
永代供養墓によっては、こういう要望に応じるために、一定の期間は別々にお骨を管理し、何十年か経過してから一箇所にまとめるという例もあります。
永代供養墓や樹木葬に納骨する場合は、あとで事情が変わったときに「改葬」が可能な納骨方法であるかどうかを確認しましょう。