自覚症状が無かった人が多い病気は「ガン」と「内分泌/代謝」
自覚症状が無くても診察が必要な病気
病院の外来窓口で診療を受けるときに、熱や痛みなどの自覚症状が原因であることが多いでしょう。
しかし、病気によっては、自覚症状が無くても診療が必要な場合があります。
自覚症状が出にくい病気は、それだけ見つかりにくく、手遅れになりやすい病気なのです。
厚労省の「受領行動調査」という調査を利用して、自覚症状が無く、見つかりにくい病気を調べてみました。
4人に1人は「自覚症状が無い」
病院で病気が見つかった人のうち、「自覚症状が無かった人」は26%でした。
つまり、4人に1人の割合で自覚症状がありません。
同じガンでも、自覚症状には差がある
病気によって「自覚症状が無かった人」の割合には差があります。
主な病気別に見ると、「新生物(ガン)」と「内分泌/代謝」の2つは、自覚症状が無い人が多いことが分かります。
「内分泌/代謝」に分類される病気としては、糖尿病や高尿酸血症(痛風)などがあります。両方とも、検査による数値の異常があっても、自覚症状が出にくい病気として知られています。
逆に「呼吸器」の病気は、自覚症状が無い人はかなり少ないことが分かります。
こちらは、息苦しさや咳(せき)など、わかりやすい症状が出やすいからでしょう。
同じガンでも自覚症状には差がある
「自覚症状が無かった人」が多い「新生物(ガン)」ですが、ガンが発生した部位によって差がでます。
多かった順に並べると、「気管、気管支および肺」や「前立腺」「肝臓および肝内胆管」などが上位に来ます。
逆に「子宮」は、自覚症状が無かった人が少ないガンでした。それでも「自覚症状が無かった人」が34%もいます。
ガンは、自覚症状が出にくい病気として意識しておきましょう。
自覚症状が少ない「ウイルス性肝炎」
最後にガン以外で、「自覚症状が無い人」が多い病気を並べています。
もっとも自覚症状がないのは「ウイルス性肝炎」でした。
そして、「糖尿病」「高血圧」「腎不全」など、重大な結果をもたらす可能性がある病気が並んでいます。
「要検査」が出たら、病院に行こう
「人間ドック」では検査結果が悪くても、つい、そのまま放置してしまうことがあります。
しかし、自覚症状が無くても、そのまま放置しておくと、命にかかわることがないとは言えません。
「要検査」の結果がでたときは、この記事のことを思い出してください。