せっかく転職しても、定着する人は70%ぐらい
中途採用している企業へのアンケート
人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」が、「中途入社者の定着についてのアンケート」の結果を公開しています。
インターネットによるアンケートには、直近3年間で中途入社の正社員がいる企業693社が回答しています。
中途入社後1年以内に辞めてしまう
「中途入社者が退職しやすい期間」は、入社後6カ月までで4割弱、入社後1年以内で7割以上に達しています。
転職後、あまり時間を置かずに、退職してしまう人が多いことが分かります。
企業による差が大きい「定着率」
「直近3年間で入社した、中途入社者の定着率」は、会社によって差が大きい項目です。
「定着率0%」つまり、全員が退職してしまったという会社もあれば、「定着率100%」で全員が残っている会社もあります。
グラフを見ると、「70%台」から「80%台」あたりが多いようです。
中途採用を4人採って、3人定着すれば合格点という感じでしょうか。
有効な取り組みと無効な取り組み
中途採用を行なった企業は、人材の定着のために、いろいろな取り組みを行なっています。
しかし、それはどこまで有効なのでしょう。
「人事のミカタ」では、主な取り組みと、定着率のデータを基にして、「取り組みによる定着率の寄与度」を調査しました。
実際に行なわれている取り組みの中で、定着率に好影響だったのは「定期で行なう人事との面談」と「定期で行なう上司との面談」でした。
どんな会社でも不満は生じるものなので、定期的に面談をして、それを聞き取ることが有効なのでしょう。
一方、「中途入社者コミュニティへの参加」と「社内見学」は、定着に向けて無効どころか、マイナスであることが分かりました。
中途入社者同士で情報交換をしたり、社内見学で他の部署を見たりすると、転職した会社のすべてが分かったような気持ちになって、見切りが付けやすいのかもしれません。
会社ごとに異なる悩み
最後に、会社からの生のコメントを紹介しましょう。
率直なコメントが多く、会社側の苦労がうかがえます。転職する側としても参考になるでしょう。
コメントの後ろのカッコ内は、業種と企業規模です。会社の規模によっても、悩みが異なることが分かります。
- 中途採用者の定着率が悪いのを前提として採用しています。いかに在籍期間を長くするかに苦心しています。(IT・情報処理・インターネット関連/50~99名)
- 当社では、だいたい3年、5年、7年と在職年数が奇数の年に退職してしまう。採用してやっと落ち着くと退職し、また採用という悪循環から抜け出せない。(メーカー/30~49名)
- 中小企業のため、本人の希望に沿った配置転換や異動が簡単ではなく、結果、退職につながるケースが多い。(流通・小売関連/10~29名)
- 定着しない理由は人それぞれ。画一的な対応策を立てるのは困難。(警備業/1~9名)
- 各営業所での離職が多いが、本社からの目が届きにくい為、どこに問題点があるのかが見えにくい。(メーカー/100~299名)