年金は、月給のように毎月受け取れるのでしょうか
「年金」の払い方は変わっている
日本の年金の支払い方法は、ちょっと変わっています。
例えば、会社にいたときの月給のように、毎月もらえるわけではありません。
また、会社の月給は、今月働いた分を今月か、悪くても来月もらえますが、年金はそうではありません。
この記事では、初めて年金を受け取る人や、その家族のために、年金の支払い方法の基本的なルールを紹介します。
2カ月分がまとめて払われる
年金は、銀行振込が基本です。
しかし、振り込まれるのは、毎月ではなく1カ月置きなのです。
月額で決まっている金額の2カ月分をまとめて、「偶数月」に振り込まれます。
つまり、2月、4月、6月、8月、10月、12月だけ、お金が入ってきます。
最初に年金を受け取ったときに2カ月分と知らず、1カ月で使い果たしてしまった実例もあるので注意してください。
年金の振込日は「15日」です。
15日が土曜日、日曜日、祝日のときは、その直前の平日に振り込まれます。
スーパーなどの小売店が、偶数月の15日に高齢者向けのセールを行なうことが多いのは、年金の振込日に合わせているのです。
4月に受け取る分は、2月と3月の分
先ほど紹介したように、年金は1カ月置きに振り込まれます。
では、4月15日に振り込まれる分の年金は、いつの分なのでしょう。
普通に考えれば、3月と4月の2カ月分と思ってしまいますが、そうではありません。
振込月には、「その前月までの2カ月分」が支払われます。
一覧にすると、次のようになります。
- 2月振込 前年の12月と1月の分
- 4月振込 2月と3月の分
- 6月振込 4月と5月の分
- 8月振込 6月と7月の分
- 10月振込 8月と9月の分
- 12月振込 10月と11月の分
つまり、4月に振り込まれるのは、2月と3月の分なのです。
「振り込まれた年金が、いつの分でも関係ないでしょう」と思われるかもしれませんが、そうでもありません。
例えば、2019年4月から、年金の支給額が0.1%上がります。しかし、4月に振り込まれる年金は、2月分と3月分ですから増えてません。
年金の仕組みを知らないと、「値上げされたはずなのに、オレの年金が上がっていない」と怒ることになるのです。
実は、4月分の年金が振り込まれるのは6月です。振り込まれる金額が増えるのは6月15日に受け取る分からなのです。
もう一つ例を挙げましょう。
毎年10月が締め切りの「扶養親族等申告書」という書類の提出を忘れると、翌年の4月分から年金が減ります。
4月に年金が減れば「ああ、年度末だから、何かあったな」と気がつくのですが、4月分が振り込まれるのは6月になってからです。
あらかじめ、4月分の振込は「6月」からであることを知っていれば、6月15日の振込額をチェックすることで、すみやかにトラブルに対応することができます。
新しいルールに対するペースを作る
ここまで紹介したように、年金の世界は、月給生活を送っていたサラリーマン時代とは、かなりルールが異なっています。
しかし、老後は、このルールに合わせて生活していかなければなりません。
特に、2カ月に1回しか収入が無いという生活は、慣れるまで時間がかかります。
例えば、年金が振り込まれたら、別の銀行口座に1カ月分を移してしまうなどの工夫で、新しい生活のペースをつかんでください。