中途採用で、人が採れる業界、採れない業界

[2019/4/23 00:00]

企業の人事担当者へのアンケート

人材採用サービス企業のリクルートキャリアが、「中途内定者の充足状況」についての調査結果を公開しています。

2019年3月に行なわれたインターネット調査では、中途採用を実施する企業の人事担当者830人が回答しています。

計画通りに人が取れない「中途採用」

2018年10月~2019年3月の期間に、中途採用が計画を下回った企業は42.0%でした。

これは、2018年4月~2018年9月に比べて、6.3%増えています。

つまり、転職希望者を対象にした中途採用は、まだ人手不足の状態が続いており、6割以上の会社は採用計画を下回っています。

そして、中途採用が不足している状況は、まだ続いていることが分かります。

出典:リクルートキャリア

「流通・小売・外食」は人が取れない

中途採用の数が計画を下回っている企業がお多いのは「流通・小売・外食」でした。

逆に、内定者が充足している企業が多いのは「IT・通信」です。

出典:リクルートキャリア

小さい会社は人が取れない

会社の大きさで見ると、従業員規模が小さくなるにつれて、採用計画を下回る企業が増えています。

出典:リクルートキャリア

地方は人が取れない

本社所在地が「三大都市圏」にある企業に比べ、「地方圏」にある企業は、採用計画を下回る割合が高く、人手不足の様子が分かります。

なお、ここで言う「三大都市圏」は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県を指しています。

「地方圏」は、それ以外の県を指します。

出典:リクルートキャリア

待遇を改善しないと人が取れない時代

今回の調査結果について、リクナビNEXT編集長の藤井薫氏は、次のようにコメントしています。


 人材獲得は、年々その難度が上がっていると同時に、業界・企業規模・地域別の格差も広がる様相となりました。

 今回、「流通・小売・外食」「小規模」「地方圏」が人材獲得に苦戦する中、比較的ではありますが、「IT・通信」の充足度が最も高いことは注目に値します。

 かつて3K・7Kと呼ばれたIT業界も、ライフステージに応じて、働く時間や場所、役割や役職を選べるなど、働き方改革の推進で人材求心力を増しています。

 働き手に寄り添った仕事・キャリア環境の整備は待ったなしです。

注1:「3K」=「きつい」「汚い 」「危険 」
注2:「7K」=「危険」「きつい」「帰れない」「規則が厳しい」「休暇が取れない」「化粧がのらない」「結婚できない」。「危険」を「厳しい」という場合もある

[シニアガイド編集部]