平成の上場企業倒産は「234社」。一番多かったのは「2008年」
上場企業の倒産で振り返る「平成」
「平成」の終わりが近づくにつれて、時代を総括するような調査結果が増えてきています。
企業情報会社の東京商工リサーチでも、「平成の上場企業倒産」というレポートを公開しました。
ご存知のように、東京証券取引所(東証)を始めとする株式市場に上場している企業は、一定の実績を挙げていることが条件となっています。
つまり、上場企業が倒産するというのは、そんなに簡単に起こることではありません。
それだけに上場企業の倒産は、その会社の従業員や株主だけではなく、取引先を始めとする周囲の企業などにも大きな影響を与えます。
平成の負の面の一つとして、この機会に振り返ってみましょう。
倒産件数が多いのはリーマンショックの「2008年」
平成の間に倒産した上場企業は「234社」でした。
倒産件数の年平均は「7.7社」ですが、年によって大きな差があります。
一番多かったのは「2008年」で「33件」でした。この年は、リーマンショックによる世界的な不況の年です。
次に多い「2002年」は、小泉内閣による金融機関の不良債権処理が進んでいた年です。金融機関への返済が難しくなっていた企業が倒産へと追い込まれました。
一方、1社も倒産がなかった年が4年もあります。
負債総額が大きかったのは「2001年」
次に、倒産した上場企業の負債総額を見てみましょう。
負債総額が一番大きかった年は「2001年」でした。この年の負債総額は3兆円を超えています。
2001年の負債総額が、こんなに大きいのは、この年にスーパーの「マイカル」が倒産したためです。
負債総額は、マイカルだけで1兆6千億円もありました。この年の負債総額の半分以上を1社で占めています。
「1997年」と「2000年」も、負債総額が2兆円を超えています。
1997年は、食品商社の「東食」や、建設業の「東海興業」などが倒産しています。
2000年には、信販会社の「ライフ」や、百貨店の「そごう」などが倒産しました。
ここ10年ほどは、ある程度景気が回復しているため、倒産件数が少なくなっています。
そのため、2017年の自動車部品の「タカタ」が1兆6千億円の負債を抱えて倒産したときも、その年の上場企業の倒産が、ほかに1社あるだけだったので、2億円の大台を超えませんでした。
上場企業の倒産数や負債総額の移り変わりを見ていると、同じ平成といっても、状況が大きく変わっていることが分かります。
そして、倒産時の負債総額が大きかった企業の名前を見ると、再建に成功している場合でも、大きな変化を余儀なくされています。
上場企業の倒産によって人生に影響を受けた方々は少なくありません。
次の時代が、穏やかな日々であり続けることを望みたいものです。
倒産時の負債総額が大きかった上場企業 一覧
- マイカル スーパー 2001年 1兆6千億円
- タカタ 自動車部品 2017年 1兆5千億円
- 日榮ファイナンス 住宅ローン保証 1996年 1兆円
- ライフ 信用販売 2000年 9千6百億円
- そごう 百貨店 2000年 6千9百億円
- 日本航空 航空持株会社 2010年 6千7百億円
- 東食 食品商社 1997年 6千4百億円
- 東海興業 建設業 1997年 5千百億円
- 佐藤工業 建設業 2002年 4千5百億円
- エルピーダメモリ 2012年 4千5百億円