「平成」は高齢者が働くことが普通になった時代だった

[2019/4/30 00:00]

統計で見る「平成」の変化

総務省統計局が、「統計が語る平成のあゆみ」として、平成における変化を数字で紹介しています。

この記事では、その中から「高齢者の労働」に関する変化を紹介します。

労働者数が一番多いのは今

まず、平成の全世代の労働者数の変化から見ていきましょう。

平成元年(1989年)の労働者数は「6,128万人」でした。

いわゆる「バブルの時代」を過ぎても労働者数は増え続け、1997年にピークを迎えます。

その後も増減を繰り返しますが、特に大きな変化は、2008年の「リーマンショック」によるものです。

2008年から2009年の1年間で、百万人近くも労働者が減っており、衝撃の大きさが分かります。

そして、平成を通じて、労働者数が一番多いのは「2018年」つまり、現在です。

ここしばらくは「人手不足」が話題になることが多いため、労働者が減っているようなイメージがありますが、実は働いている人は増えているのです。

出典:データを基に編集部が作成

65歳以上で働く人は増え続けている

労働者数が増えている理由の1つが、65歳以上の高齢者が働くようになったことです。

平成元年には、全労働者に占める高齢者の割合は「5.5%」でした。

それが、2018年には「12.9%」まで増えました。

働いている人の1割以上は「65歳以上」なのです。

出典:データを基に編集部が作成

なお、65歳以上で働いている人の割合は男女ともに伸びています。

平成の間に、男性は5.5%から13.8%に、女性も5.4%から11.9%に伸びています。

「平成」は、男女ともに、65歳を過ぎても働くことが普通になった時代と言えるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成
[シニアガイド編集部]