平成の間に2倍以上に増えた「65歳以上の割合」

[2019/4/29 00:00]

統計で見る「平成」の変化

総務省統計局が、「統計が語る平成のあゆみ」として、平成における変化を数字で紹介しています。

この記事では、その中から「人口」に関する変化を紹介します。

今よりも平成元年の方が人口が少なかった

日本の人口は、平成元年(1989年)には、「1億2,321万人」でした。

そして、平成20年(2008年)に「1億2,808万人」で、人口のピークを迎えます。

その後は、人口の減少が続き、平成30年(2018年)には「1億2,644万人」となりました。

下のグラフの棒グラフの部分が、人口の推移です。

これを見ていると、2つ面白いことに気が付きます。

1つ目は「平成17年(2005年)に一度人口が減っている」ことです。

平成元年から20年までは人口が増え続けたイメージがありますが、平成17年には「戦後初の人口減少」がありました。ピークを前にして息切れしていた時期もあったことが分かります。

2つ目は「平成元年の人口よりも、平成30年の人口の方が多い」ことです。

日本の人口は極端に減ったというイメージを抱きやすいのですが、実は現時点でも、平成元年より人口が多いのです。

出典:データを基に編集部が作成

大きく変わったのは「年齢の構成」

では、平成の間に、何が変わったのでしょうか。

大きく変わったのは総人口よりも、人口の構成です。

平成元年と平成30年では、各年代の人口の割合は、次のように変わりました。

  • 年少人口(15歳未満) 18.8%→12.2%
  • 生産年齢人口(15歳~64歳) 69.6%→59.7%
  • 老年人口(65歳以上) 11.6%→28.1%

つまり、「子供」と「現役世代」が減って、「高齢者」の割合が増えました。

高齢者の割合は、平成の間に2.4倍に増えて、子供の割合よりも大きくなっています。

高齢者の割合が、大きくなったことが、平成の人口の変化の特徴なのです。

一言で言ってしまえば、平成の人口変化は「少子高齢化」そのものだったと言えるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

重心が高くなった「人口ピラミッド」

最後に、「人口ピラミッド」の変化を見てみましょう。

人口ピラミッドは、その地域の人口の構成を見るためのグラフです。

各年代ごとに、横棒グラフを重ねた形を見ると、その国の将来の人口の変化が予想できます。

下の図の白黒の形が、平成元年の時点の人口ピラミッドです。

ピークは、40歳前後にありますが、15歳ぐらいに2つ目のピークがあります。

すでに人口が減少する傾向が表れている「壺(つぼ)型」になっていますが、全体の重心は、真ん中よりも下にあります。

しかし、カラーで表示された平成30年の人口ピラミッドを見ると、若い年齢層が減り、人口の重心が高くなったのが分かります。

人口が一番多い年齢は70歳前後です、つまり、平成元年に40歳だった年代が、現時点でも一番人口が多いのです。

人口ピラミッドの形は、平成元年と同じ壺型ですが、10歳未満の人口が大きく減っており、キュッと下が絞られた形になりました。

平成の間に、日本の人口ピラミッドは、将来の人口減少がはっきりと分かる形に変わったと言えるでしょう。

出典:総務省統計局
[シニアガイド編集部]