人口が減っても70代は「住み続ける」、しかし10代は4分の1しか残らない
人口減少についての1万人アンケート
調査会社のインテージリサーチが、「地方創生と人口減少に関する意識調査」の結果を公開しています。
2019年3月に行なわれたインターネット調査には、16~79歳の男女10,702人が回答しています。
人口減少を感じている人が40%を超える
まず、「自分が住んでいる地域の人口の増減について、どのように感じているか」を聞いています。
程度の差はあっても、「減少している」と感じている人が40%を超えます。
一方、「増加している」と感じている人は10%ほどです。
「わからない」や「あまり変化していない」という人も多く、人口が減少しているという実感は、人によって差があることが分かります。
「四国」では70%以上が人口減少を感じている
「人口が減少している」という回答を、地域別に見ると、「四国」や「東北」で高くなっています。
いずれも、70%前後の人が「減少している」と感じており、人口の減少が進んでいることが分かります。
一方、「関東」や「近畿」では人口の減少を感じている人は40%以下でした。
心配なことは「医療/介護」の将来性
人口が減ると、さまざまな影響が地域に表れてきます。
「人口減少に伴う地域への影響として懸念されること」を聞くと、上位5つは次のようになりました。
- 高齢化による医療/介護ニーズの増加と支え手の不足 59.3%
- 空き家/空き地の増加 48.5%
- 若者が減少して活気がなくなる 47.3%
- 公共サービスの質の低下 35.4%
- 公共交通機関の縮小 29.5%
一番多いのは「医療/介護」の将来性に対する心配でした。
この5つ以外では「地域内の経済縮小」を挙げる人も少なくありません。
若者は出ていき、高齢者が残る
人口減少による悪い影響があると回答した人に「あなたの地域の人口減少が進み、ご懸念のことが出てきた場合、あなたはどうすると思いますか」と聞いています。
一番多い回答は「今の地域に留まる」でした。
しかし、この回答には、回答者の年齢によって大きな差があります。
例えば「70代男性」の場合、「今の地域に留まる」という人は72%もいます。
しかし、「16~19歳男性」では25%しかいません。
つまり、若くて可能性がある人ほど、人口が減少し始めた地域を離れて、外に出ていってしまう可能性が高いということです。
人口の減少を考えるときは、少子化による「自然減」だけではなく、若者の流出による「社会減」にも対策が必要であることが分かります。