都民/県民共済は、死亡時のお金の受取人が指定できない

[2019/5/13 00:00]

生命保険としての「県民共済」

都民共済/県民共済は、掛金が安く、手軽に申し込める掛け捨て型の保障制度です。

都民共済/県民共済は、保障の範囲が広いのが特徴です。

病気や交通事故に対する保障に加えて、死亡時にもお金が出るので、生命保険としても機能します。
ただし、都民共済/県民共済と生命保険では、死亡時に出るお金を受け取る人に対する規定が大きく異なります。

それを知らないと、契約者が死亡したときに、親族が予定通りにお金を受け取ることができない可能性があります。

この記事では東京都で行なわれている「都民共済」を例に、死亡時のお金の受け取り方を紹介します。

共済では死亡時に、ある程度のお金が出る 出典:都民共済

あらかじめ受取人を指定する「生命保険」

最初に、一般的な生命保険の死亡保険金の受け取りについて紹介しましょう。

生命保険の場合、契約時に「受取人」を指定します。

受取人の範囲は「配偶者または二親等以内の血族」が基本ですが、保険によっては「内縁関係」や「婚約者」などを指定できるものもあります。

保険を契約した人が死亡した場合は、死亡保険金の請求書と、身元を確認する書類で手続きができます。

受け取りの順位が決まっている「都民共済」

一方、「都民共済」の場合は、「受取人」を指定することができません。

家族の中で受取人になる順位が決まっていて、その一番上の人が受け取ります。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. 同一世帯ではない子
  6. 同一世帯ではない孫
  7. 同一世帯ではない父母
  8. 同一世帯ではない祖父母
  9. 同一世帯ではない兄弟姉妹
  10. 同一世帯ではないご加入者の甥姪

つまり、死亡時の共済金を受け取るためには、都民共済を契約した人と受取人の関係を証明する必要があります。

実際に、故人の唯一の子供であることを証明するために、故人が生まれてから死亡するまでの、すべての戸籍謄本が必要となった例もあります。

これには、それなりの手間と時間が掛かりますから、都民共済を葬儀費用を充てるつもりでいると、共済金の支払いが間に合わない可能性があります。

受取人を指定することができない

都民共済では、受取人の順位が決まっていますから、次のような指定はできません。

  1. 「自分の子供ではなく、兄弟姉妹に受け取って欲しい」
  2. 「複数いる自分の子供のうち、特定の子供に受け取って欲しい」
  3. 「現在同じ世帯にいる子供ではなく、離婚した前妻の子に受け取って欲しい」

(1)の場合、順位を飛ばして受取人を指定することはできません。

(2)の場合、二人以上子供がいるなど、同じ順位の人が複数いる場合は、均等に分け合うことになっています。特定の誰かに全額を渡すという指定はできません。

(3)の場合、同じ「子」であっても、同一世帯の方が優先されます。

いずれの場合も、ルールは絶対で、遺言書で指定しても順位を変えることができません。

例外的に、内縁関係などの場合は、あらかじめ都民共済の承認を得ておくことで「受取人」となることができます。

特定の誰かにお金を残したいときは「生命保険」を

都民共済や県民共済は、少ない金額で、そこそこの保障が得られる優れたシステムです。

ただし、「生きているうちは本人に、死亡したときは配偶者にお金を渡す」ことが前提のシステムなので、配偶者以外の親族が死亡時の共済金を受け取ろうとすると、二人の関係の証明が必要となります。

つまり、配偶者以外の親族が共済金を受け取ろうとすると、いきなり手間が増えてしまうのです。

そういう場合は、共済金の支払いまでに時間がかかることを想定しておきましょう。

また、受け取りの順位が決まっているので、家族関係が複雑な場合は向いていません。

特に「特定の誰かにお金を残したい」という要望があるときは、生命保険や預金など、他の方法を検討してください。

生命保険の場合は、忘れずに「受取人」として指定しておきましょう。

[シニアガイド編集部]