ペットがかかりやすい傷病のランキング

[2019/5/14 00:00]

ペットがかかりやすい傷病のランキング

ペット保険のアイペット損害保険が、「保険金請求が多い傷病のランキング」を公開しています。

このランキングは、ペット保険の契約者からの保険金請求の実績をもとにしたものです。

具体的には、通院、入院、手術の保険金請求件数を合計した数字の順になっています。

犬の病気は外から見て分かるものが多い

まず、「犬」の傷病ランキングを見てみましょう。

  1. 皮膚炎
  2. 外耳炎
  3. 胃腸炎
  4. 下痢
  5. 腫瘍
  6. 異物誤飲
  7. 心臓病
  8. 歯周病
  9. 骨折
  10. 嘔吐

犬の傷病ランキングでは、「皮膚炎」が一番多く、以下「外耳炎」「胃腸炎」など、飼い主が変化に気づきやすい傷病が上位を占めています。

なお、犬の年齢別にみると、0歳時は「下痢」が一番多く、「1~6歳」と「7歳以上」では「皮膚炎」が多くなっています。

出典:アイペット損害保険

「猫」は年齢によってかかりやすい病気が変わる

次に「猫」の傷病ランキングです。

  1. 下痢
  2. 皮膚炎
  3. 腎臓病
  4. 膀胱炎
  5. 異物誤飲
  6. 胃腸炎
  7. 心臓病
  8. 結膜炎
  9. 腫瘍
  10. 外耳炎

猫の傷病ランキングでは、「下痢」が一番多く、以下「皮膚炎」「腎臓病」と続きます。

年齢別に見ると、0歳時は「下痢」、1~6歳時は「皮膚炎」、7歳以上は「腎臓病」と、猫の年齢によってかかりやすい病気が変わっていきます。

出典:アイペット損害保険

ペットの手術費用は大きくなりやすい

ペットの医療費で負担が大きいのは「手術」です。

「手術」の保険金請求件数のランキングを見てみましょう。

「傷病名」の後ろにあるのは、「診察例」と「参考診療費」です。

参考診療費のデータは一例であり、一般的な平均や水準を示すものではありません。目安として考えてください。

ペットの場合、公的な医療保険がないので、手術に必要な金額は大きくなります。

まず、犬の手術ランキングです。

  1. 腫瘍:皮膚腫瘍を手術で取る(90,400円)
  2. 歯周病:全身麻酔をして歯石除去と抜歯(97,300円)
  3. 骨折:手術で折れた骨をつなげる(308,700円)
  4. 異物誤飲:全身麻酔をして異物を内視鏡で取り出す(77,760円)
  5. 膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう):折れた膝の骨を手術で戻す(254,000円)

犬の手術で一番多いのは、「腫瘍」でした。

症状や腫瘍の種類、治療法によって処置は異なりますが、皮膚腫瘍を手術で取った場合で、約9万円かかります。

この金額は、あくまでも参考ですが、なかなか大きな負担と言えるでしょう。

次に、猫の手術ランキングです。

  1. 異物誤飲:異物を開腹手術で取り出す(220,800円)
  2. 腫瘍:皮膚腫瘍を手術で取る(90,400円)
  3. 歯周病:全身麻酔をして歯石除去と抜歯(97,300円)
  4. 尿石症:膀胱の結石を手術で取り出す(127,800円)
  5. 骨折:手術で折れた骨をつなげる(308,700円)

猫の手術で一番多いのは「異物誤飲」でした。

こちらは、異物を内視鏡ではなく、開腹手術で取り出した場合の参考金額なので22万円と想定されています。

犬猫に共通の病気と、特有の病気

両方のランキングを見比べると、手術が必要な症状は、犬と猫とで共通するものが多いことが分かります。

「腫瘍」「歯周病」「骨折」「異物誤飲」は犬猫に共通しており、ペットを飼うときに、発生しやすく、注意が必要な傷病であることが分かります。

また、犬猫、それぞれに特有のかかりやすい病気があります。

「犬」特有の傷病では「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」が多くなっています。

膝蓋骨は、膝(ひざ)のお皿の骨です。

これが、本来の位置からずれてしまうのが「膝蓋骨脱臼」です。

脱臼しているときには足を引きずるようにして歩く跛行(はこう)がみられます

「猫」特有の傷病では「尿石症(にょうせきしょう)」が多くなっています。

これは、腎臓から尿道までのオシッコが通る管に、石ができる病気です。

石が砂状で症状が軽い場合は、尿道からカテーテルという器具を入れて、水などで尿道を洗浄します。洗うことで、詰まった石が流し出されます。

しかし、内臓に大きな石がある場合は、手術が必要になる場合があります。

何度もトイレに行くのにオシッコが少なかったり、オシッコをするときに痛がっていたら「尿石症」の可能性があります。

人間でも同じですが、軽い症状のときにお医者さんを避けていると、大きな症状が出て、時間とお金がかかります。

ペットの負担を軽くするためにも、何かの症状に気がついたら、早めにお医者さんに連れていきましょう。

[シニアガイド編集部]