「会社更生法」を申請した企業にあった債権は、どれぐらい取り戻せるのか
[2019/5/16 00:00]
「会社更生法」を申請されたら、あなたの売掛けはどうなる
自分で起業したときのリスクの一つが、取引先の会社の「倒産」です。
倒産した会社の多くは、法的には「破産」という形で、清算されて無くなってしまいます。
この場合、あなたの「売掛け金」などの債権を回収することは、ほぼできません。
しかし、ごく稀にですが、倒産した会社が「会社更生法」を申請して、再建をめざす場合があります。
この場合、あなたの債権は、取り戻すことができるのでしょうか。
企業情報調査会社の帝国データバンクが、その実態を報告しています。
平均弁済率は「11.4%」に留まる
帝国データバンクによれば、2004年以降に会社更生法を申請した企業は「193件」でした。
このうち、「一般更生債権の弁済率」、つまり、売掛け金などが、どれぐらい戻ってくるかという数値が分かったのは166件です。
そして、弁済率の平均は「11.4%」でした。
つまり、100万円の債権があったとしても、11万4千円しか戻ってきません。
7割の企業では「ゼロから10%未満」しか戻ってこない
さらに恐ろしいことに、約70%の企業では、弁済率が「10%未満」です。
かなり高い確率で、弁済率が「ゼロ」か、それに近い状態になることが分かります。
会社更生法を申請した企業は生き残っても、あなたの借金は棒引きにされて「ゼロ」になってしまうのです。
弁済率が「100%」の企業は、たった2%
調査対象の中で、例外的に弁済率が「100%」という会社が4社ありました。
つまり、売掛け金などの債権を額面通り、すべて払ってくれたという奇跡のような存在です。
しかし、その割合は、166分の4ですから、全体の2.4%に過ぎません。
やはり、「会社更生法を申請した」と聞いた時点で、あなたの売掛け金は戻ってこないと思った方が良さそうです。
念のために手続きはした上で、戻ってこない前提で善後策を考えましょう。