身寄りのない一人暮らしで不安なのは「自分の死後に自分自身ではできない作業」があること
身寄りのない一人暮らしの終活調査
ライフエンディングサービスの「鎌倉新書」が『おひとりさまの「ソロ終活」に関する実態調査』の結果を公開しています。
2019年4月に行なわれたインターネットアンケートには、60代以上のおひとりさまと、夫婦のみで暮らすおひとりさま予備軍でいずれも身寄りのない人、556人が回答しています。
「ソロ終活」は造語で、身寄りがなく、自身の死後を託す人がいない単身者が取り組む終活を指します。
一人で最後を迎えることが不安な人は半分
「いずれはひとりで最期を迎えることに対して、不安を感じる」人は全体の半分ほどでした。
単身者よりも、夫婦二人暮らしの方が「不安を感じる」割合が高くなっています。
これは、配偶者が先立って、自分一人になった時を考えたときの漠然とした寂しさや不安が影響しているのでしょう。
「死後事務」や「遺品整理」が不安のタネ
「いずれはひとりで死期を迎えることに不安がある」人に限定して、不安の内容を聞いています。
一番多いのは、公共料金の解約や役所への届け出などの「死後事務」でした。
次に多いのが「遺品整理」で、いずれも半分を超えています。
自分の死後に自分自身ではできない作業が発生することが、不安のタネになっていることが分かります。
また、不安のタネとなっている項目について、8割以上の人が、「まだ準備していない」と答えています。
日頃から不安は感じていても、実際に終活作業に取り掛かる人は少ないのです。
「孤独死」や「頼れる人がいない」ことが不安を呼ぶ
アンケートの項目では、最大の不安は「死後事務」となっていました。
しかし、自由回答の内容を見ると、より大きな不安が読み取れます。
いくつか生の声を紹介しましょう。
- 孤独死(孤立死)を避けたいし、葬式は最低限してもらえるのか不安
- 子供がおらず、何をどこに依頼しておけばよいのか分からない
- 認知症が進み、自分で自分がコントロールできなくなるのが怖い
- 不動産を含む財産処分や雑務について、誠実に執行してくれる人がいるのか不安
つまり、一人暮らしの人が自分の死後に不安を感じるのは、「孤立死を避けたい」「後のことを託す人がいない」「専門知識がない」の3つが要素となっているのです。
自分の死後に備えて、すべてのことに万全の準備をすることは簡単ではありません。
せめて、自分の死後に自分自身ではできない作業をしてくれる人のために、緊急時の連絡先や、かかりつけの病院名、墓の場所だけでも、人に伝わるように準備しておきましょう。
それが、死後の処理について、自分自身の希望がかなうことにもつながるのです。