孤独死の8割以上が「男性」、ピークは「60代」

[2019/5/20 00:00]

3千件のデータから分かる「孤独死」

一般社団法人の日本少額短期保険協会が、「第4回 孤独死現状レポート」を公開しました。

このレポートは、協会に加入している少額短期保険会社が、契約者に支払った保険金のデータをもとにして集計したものです。

今回のレポートでは、2015年4月から2019年3月までの孤独死のデータ3,392件を基にしています。

孤独死については、複数の定義がありますが、このレポートでは「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」とされています。

つまり、一人暮らしの人が、自宅で死亡していたことが、第三者に発見された場合を孤独死としています。

この記事ではグラフを中心に、孤独死の特性を紹介していきます。

孤独死の8割以上が「男性」

集計の対象となった期間の孤独死は、「3,392人」でした。

そのうちの83%が男性で、女性は17%しかいません。

男性の方が、ずっと孤独死しやすいのです。

出典:データを基に編集部が作成

孤独死のピークは「60代」

孤独死をした人の平均年齢は「61.3歳」でした。

男女差は、ほとんどありません。

年齢別の分布を見ると、男女とも「60代」が一番多くなっています。

「孤独死」というと高齢者のものという印象がありますが、「60代未満が4割、60代以上が6割」でした。

若くても孤独死をする可能性が無いとは言えません。

出典:データを基に編集部が作成

孤独死は「病死」が6割

孤独死の死亡原因の62%は「病死」でした。

次に多いのが「不明」です。

出典:データを基に編集部が作成

また、孤独死では自殺が「11%」を占めています。

一般的な死亡統計では、自殺の率は1.5%前後なので、それに比べるとかなり高い割合です。

特に、20代から40代の孤独死では自殺の占める割合が高くなっています。

出典:データを基に編集部が作成

「3日以内」に見つかる割合は40%

孤独死が発見されるまでの期間で一番多いのは「3日以内」でした。

「4~14日以内」と合わせると、全体の7割近くは、2週間以内に見つかっています。

出典:データを基に編集部が作成

知り合いに見つけてもらえる人は「3割」しかいない

孤独死の第一発見者で一番多いのは、賃貸住宅の管理人など「管理」を職業としている人です。

それ以外でも、「福祉」や「警察」など、職業上の関係者が多くを占めています。

知り合いである「親族」と「友人」に見つけてもらえる人は3割しかいません。

出典:データを基に編集部が作成

孤独死が見つかる原因は「音信不通」

孤独死が見つかる原因で一番多いのは「訪問/音信不通」です。

例えば、「連絡がつかないことで知り合いが訪ねて来たり、管理会社に訪問を依頼する」などによります。

次に多いのが「異臭/居室の異常」です。

“居室の異常”というのは、水漏れや照明の点きっぱなしなどです。

出典:データを基に編集部が作成

人との交流が孤独死を避ける道

レポートを通して分かる、孤独死の特徴をまとめてみましょう。

  • 孤独死は男性の方がずっと多い
  • 孤独死は高齢者のものだけではない
  • 知り合いに見つけてもらえる人は3割しかない
  • 普段から人と連絡を取っていないと、早く見つけてもらえない

やはり、普段から公的/私的な関係を問わず、誰かと連絡を取っていることが、孤独を避ける方法のようです。

また、連絡を取る人がいれば、万が一、孤独死をしてしまっても、不審に思って訪ねてくるなどのアクションを取ってもらえるので、早い時期に見つけてもらえることができます。

[シニアガイド編集部]