会社の経費で自腹を切ったことがある人は6割以上

[2019/5/23 00:00]

経費申請に関するアンケート

法人から個人のスマホに送金できるサービスを行なっているpring(プリン)が、「会社員の経費申請に関するアンケート」の結果を公開しています。

「経費申請」とは、会社の業務で使った経費を、社員が立て替えて払い、会社に申請して精算する仕組みです。

いったん社員が立て替えることになるため、精算をしないと、会社の経費なのに社員個人の負担となってしまいます。

2019年4月に行なわれたインターネットアンケートには、全国の20歳~49歳の会社員で1年以内に会社に経費申請をした300人が回答しています。

自腹を切ったことがある人は「6割以上」

まず、「会社のための出費だったにも関わらず、自腹で支払った経験はありますか」と聞いています。

「複数回ある」人は、5割を超えており、経費申請をしないで、自分で負担することが多いことが分かります。

「1度だけある」人と合わせると、自腹を切って、自分で経費を負担してしまった人は6割を超えます。

出典:データを基に編集部が作成

申請しない理由は「面倒」「少額」

自分で経費を負担してしまった人に、その理由を聞いています。

一番多いのは「申請が面倒だったから」でした。

次も「少額で気まずかったから」です。

つまり、自分の判断で精算をしない人が多いことが分かります。

3位の「領収書をなくしたから」と、4位の「申請期限が過ぎてしまったから」は、自分の意志ではありませんが、自己責任と言えるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

会社によっては申請しにくい雰囲気も

ここまでの結果を見ていると、経費申請をしないのは、主に社員個人に問題があるように見えます。

しかし、個別の意見を見ると、かならずしもそうは言えないことが分かります。

例えば、次のような例があります。

  • 営業部門のため取引先との懇親会がちょくちょくあり、半ば強制的に二次会以降にも参加させられるが、経費では一次会のみしか負担してくれないこと。(20代男性)
  • 社長に関するものは範囲が広いが、一般社員は狭い。(40代男性)

また、禁止されているわけではないが、申請しにくい雰囲気の会社もあるようです。

  • 経理のおばちゃんが細かい。(30代男性)
  • 経理担当が不機嫌な日が多い為、渡しづらい。(30代男性)
  • 周りが経費を申請しにくい雰囲気を出しているので、下っ端は特に申請しにくい。(20代女性)

さらに、経費申請ができても、その処理や制度に不満を感じる場合もあるようです。

  • 申請から振り込みまでに時間がかかる時がある。月に5万くらい経費で支払いがある事が3カ月くらい続く時、振込が遅いと少々不安になる。(30代女性)
  • 会計士から、経費で自分のカードにポイントが加算されたことをツッコまれた。(30代女性)
  • 出張費用などは先払いにしてほしい。(30代男性)

会社も好きで制限しているわけではない

会社を経営する場合、いろいろな法律に従う必要があります。

そのため、使いみちが不明確なお金というのは、基本的には許されません。

したがって、経費を管理する担当者は、きちんと領収書がそろっていない申請や、社内のミーティングなのか、社外の人も含めた接待なのかが分からないような申請は、問いたださないわけにはいきません。

ただし、一般社員には、会社は法律に従っているだけであって、悪意をもって制限しているわけではないということが伝わりにくいのかもしれません。

そうすると、「うちの会社の制度は面倒」と感じてしまうのでしょう。

会社が、「こういうルールがあるので、このポイントだけは押さえて申請してほしい」という情報を社員に伝えることが、経費に対する社員の不満を抑えることにつながるでしょう。

[シニアガイド編集部]