「70歳定年」を歓迎する人は4割。働く理由は「収入」
「70歳定年」についてのアンケート
一般社団法人 定年後研究所が、「70歳定年に関する調査」の結果を公開しています。
2019年4月から5月にかけて行なわれたインターネット調査では、40代から60代前半の男女516人が回答しています。
なお、回答の数字は小数点以下1桁目で、四捨五入しています。
70歳定年を歓迎する人は4割
「70歳定年に対する意見」で一番多いのは「歓迎できる」でした。
回答者全体の4割を占めています。
しかし、「困惑・とまどいを感じる」や「歓迎できない」も多く、歓迎一色ではないことが分かります。
それぞれを選んだ理由で、一番多いものは次の通りです。
- 「歓迎できる」
収入が得られる期間が延びる - 「困惑/とまどい」
収入が得られる期間が延びて良いが、その分長く仕事をしなければならない - 「歓迎できない」
自分としては、60歳あるいは65歳以降は働きたくない
つまり、働く意欲があるかどうかは、「収入」が必要かどうかということが大きな要素のようです。
65歳以降も今の会社で働きたい人が多い
「70歳定年制が実現した場合の65歳以降の働き方」で一番多いのは、「現在の会社で働き続ける」です。
しかし、次に多いのは「働かない」でした。
65歳以降も働き続けたい人もいれば、もう働きたくない人もいることが分かります。
「別の会社で働く」「起業など、組織に頼らず働く」など、現在の会社以外に働く場を求める人も4人に1人の割合でいます。
ほとんどの人は70歳まで働くことに不安がある
「70歳まで働くことに対する不安」のある人は、回答者の96%もいます。
つまり、ほとんどの人はなんらかの不安を抱いています。
不安の上位3つは、次の通りです。
- 体力が続かない
- 50代のときと同じようなパフォーマンスが発揮できるかわからない
- 働く意欲が持てるかどうかわからない
すべてが正社員ではなく選択肢がある方が現実的
アンケートの結果を見ていると、必ずしも70歳まで定年を延長することを歓迎している人ばかりではないことに気が付きます。
また、働き続けることを考えている場合でも、「体力や能力への不安」があり、正社員としてフルタイムで働くことを求めている人ばかりではありません。
働きたい人もいれば、できれば働きたくない人います。そして、働く場合でもフルタイムかパートタイムかは、それぞれの条件によって異なるでしょう。
例えば、一律に定年を延長するよりも、現在の「65歳」までの雇用の保証を「70歳」まで延長して、正社員として働くか、契約社員としてパートタイム的に働くかを選択できるようにする方が、会社にとっても従業員にとっても望ましいのではないでしょうか。