新築マンションは世帯年収の6.9倍、中古マンションは5.6倍

[2019/6/13 00:00]

長期ローンでマンションを買った人の調査

住宅というのは、人生でもっとも大きな買い物ですが、だいたいどれぐらいの予算を考えておけば良いのでしょうか。

ここでは、住宅金融支援機構の長期のローンである「フラット35」を使って、2017年度にマンションを購入した場合の状況を紹介します。

マンションの魅力の一つは、売るにしても買うにしても流通性が良いことです。

つまり、一戸建て住宅に比べて、中古としても流通しやすいのが特徴です。

新築と同じように、中古マンションについても見てみましょう。

マンションの平均価格は首都圏が引き上げている

まず、地域別のマンションの購入価格を見ていきましょう。

新築マンションの購入価格の全国平均は「4,384万円」でした。

マンションは地域による価格差が大きく、一番高い東京都の「5,205万円」から、一番安い愛媛県の「2,496万円」まで2倍以上の差があります。

大都市圏でみても、首都圏が「4,787万円」と高く、近畿圏と東海圏は約4千万円です。

つまり、首都圏のマンション価格が、全国平均を引き上げているのです。

ですから、全国平均の価格はあくまでも目安と思ってください。

出典:データを基に編集部が作成

なお、大都市圏が含む県名は次の通りです。

  • 首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
  • 近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
  • 東海圏:愛知県、岐阜県、静岡県、三重県

中古マンションは、地域によって価格差が大きい

これが中古マンションになると、全体的に安くなるだけではなく、地域による特徴が出てきます。

中古マンションの購入価格の全国平均は「2,845万円」でした。

新築マンションに比べると、1,500万円ほど安くなります。

出典:データを基に編集部が作成

首都圏は、中古マンションでも購入価格が高く、3千万円を超えます。

また、近畿圏は2千万円を超えますが、東海圏は2千万円を切ります。

近畿圏と東海圏は、新築マンションの平均は同じぐらいなのに、中古マンションになると東海圏だけが安くなります。

これが新築を好む風土なのか、物件の供給状況によるものなのかは分かりませんが、そういう特徴があることは覚えておいて良いでしょう。

新築マンションは年収の6.9倍

では、新築マンションを購入した人は、どんなプロフィールなのでしょうか。

全国平均の数値を箇条書きにしてみましょう。

  • 年齢:42.7歳
  • 家族数:2.4人
  • 世帯収入:776万円
  • 購入価格の年収比:6.9倍

次に資金の詳細です。

  • 手持ち資金:705万円
  • ローン金額:3,476万円
  • その他の資金:166万円
  • 1カ月の返済金額:11万8,800円

中古マンションは年収の5.6倍

これが、中古マンションになると、かなり変わります。

  • 年齢:41.5歳
  • 家族数:2.4人
  • 世帯収入:596万円
  • 購入価格の年収比:5.6倍

購入価格が下がるので、世帯収入が低くても、年収に対する割合が5.6倍へと下がります。

次に資金の詳細です。

  • 手持ち資金:318万円
  • ローン金額:2,389万円
  • その他の資金:137万円
  • 1カ月の返済金額:8万1,900円

そいて、購入価格が下がるので、手持ち資金が少なくてすみ、1カ月の返済金額も3万円以上下がります。

こうして比べてみると、中古マンションは、新築マンションに比べて手が届きやすい存在であることが分かります。

ただし、新築から時間が経っているマンションは、リフォームが必要になる場合もあります。

物件を選ぶ際は、リフォームの費用についても考慮しておきましょう。

マンションに住み替える人が増えている

ここ数年の傾向として、新築/中古を問わず、50歳以上でマンションを購入する人が増えています。

老後に備えて、一戸建て住宅を売り、マンションに住み替える人が増えているのでしょう。

2017年度で見ると、50歳以上の購入者は、新築で26.6%、中古で21.1%を占めています。

50代以上で住み替えをする場合は、長期のローンを組むことが難しくなります。年金生活の負担にならないように、無理のない資金計画を心がけましょう。

[シニアガイド編集部]