転職希望者の3割は「定年まで働くことを想定していた」
転職希望者へのアンケート
総合転職エージェントのワークポートが、「終身雇用についてアンケート」結果を公開しています。
このアンケートが面白いのは、一般の会社員にではなく、転職希望の405人に聞いているところです。
つまり、自分は転職を希望している人が、入社から定年まで働くことを前提とした「終身雇用制」について、どう考えているのかという本音が分かるのです。
アンケートは、2019年5月にインターネット経由で行なわれました。
さっそく内容を見ていきましょう。
半分近くの人が終身雇用制度は必要だと思っている
「終身雇用制度は必要だと思う」人は45.7%でした。
コメントを見ると、長期的な収入の安定を求める人など、半分近くの人が支持しています。
転職者に対するアンケートであることを考えれば、意外なほど多くの人が「終身雇用」を肯定している印象です。
しかし、勤務年数が賃金に反映される「年功賃金制を支持する」人は28.1%まで減ります。
「年功賃金制」については、「仕事へのモチベーションを保つためにも年齢ではなく実力で評価されるべき」という意見が多くみられました。
うがった見方をすると、現在の賃金への不満が年功賃金制の否定につながっているのかもしれません。
3割の人は定年まで働くことを想定していた
「現在の会社(直近まで働いていた会社)に入社したとき定年まで働くことを想定していた」に、「はい」と答えた人は31.4%でした。
自身の働き方の価値観が「できれば転職せずにひとつの会社で長く働き続けたい」という人は、31.6%でした。
この2つの質問から分かるのは、転職希望者の約3割は、本当は定年まで転職せずに働きたいという希望をもっていることです。
しかし、なんらかの理由で転職を考える状況になっているわけです。
転職希望者というと、自分のキャリアプランやスキルの向上を優先して、会社を渡り歩いていくイメージがあるかもしれません。
しかし、転職サイトに来る人でも3割以上は、本当はずっと1つの会社に勤めていたいと思っているのです。
転職を考えている人も、自分は本当は、どのような働き方をしたいのか、何を求めて転職を考えているのか、考えてみることは無駄ではないでしょう。