高齢運転者による死亡事故の3割は「操作ミス」が原因
[2019/7/24 00:00]
2019年上半期の交通事故の状況
警察庁が、2019年上半期(1月~6月)の、全国の交通死亡事故の発生状況を公開しました。
ここでは、高齢者の運転による交通事故について紹介します。
高齢者の事故件数は横ばい
高齢運転者による死亡事故は172件でした。
昨年同時期は222件だったので、やや少なくなっています。
今年は高齢運転者による交通事故がよく報道されるので、増えている印象がありますが、ここ数年間は「やや減少から横ばい」の状態で、とくに際立った増加はしていません。
高齢になるほど、死亡事故の発生率が高くなる
しかし、高齢者による死亡事故、そのものが少ないわけではありません。
運転免許証を持っている人10万人当たりの死亡事故の割合を見ると、「75歳未満」は1.4件なのに対して、「75歳以上」では3.1件と、ほぼ倍の割合です。
さらに、「80歳以上」に限ると4.3件と、「75歳未満」の3倍になっています。
やはり、高齢者による運転は、死亡事故につながる確率が高いことが分かります。
死亡事故の3分の1は操作ミスが原因
高齢運転者による死亡事故は、何が原因なのでしょうか。
75歳以上の運転による死亡事故のうち、原因の34%は「操作不適」でした。
つまり、高齢の運転者による死亡事故の3分の1は、運転操作のミスによるものでした。
そのほとんどが、「ハンドルの切り損ない」と「ブレーキとアクセルの踏み間違い」です。
操作ミス以外では、「前方不注意」「安全不確認」「わき見運転」など、周囲の状況の確認をおこたっていることが原因となっています。
高齢の運転者は、長年の運転経験による自信から、一つ一つの操作や確認ががおろそかになりやすく、それが死亡事故の原因となっていることが分かります。