「要介護4」になっても、5割の人は月に10万円未満で済んでいる
介護に関する実態調査
DMM.comグループで終活情報を提供している「終活ねっと」が、「介護に関する実態調査」の結果を公開しています。
2019年4月に行なわれたインターネット調査は、全国の介護経験がある618人に質問しています。
本人の状況で費用は変わる
「1カ月に介護にかかる費用」は、介護の対象者の状態にかなり左右されます。
日常生活にあまり支障がない「自立」状態の場合、「10万円未満」で済んでいる人が、ほとんどです。
しかし、介護の必要度が高くなるにつれて、「10万円未満」の割合は下がっていきます。
「日常生活の全般において全面的な介助が必要」とされる「要介護4」や、「日常生活全般において、全面的な介助が必要」とされる「要介護5」になると、「10万円未満」で済んでいる人は、50%前後まで下がります。
介護が必要な人の介護認定が「要介護4」以上になると、毎月10万円以上かかる確率が高くなると思って良いでしょう。
「要介護4」以上になると介護に半日以上が必要
「1日のうち、介護にかかる時間」も、介護認定の状態によって、差があることが分かります。
「日常の中で、排泄や入浴などに部分的な介助が必要」とされる「要介護1」の場合、介護に半日以上を費やしている人は2割に留まっています。
しかし、「要介護4」や「要介護5」になると、半分以上の人が、半日以上を介護に費やしています。
特に「要介護5」の場合は、「ほとんど終日」を介護に費やしている人が48%もいます。
介護の場所は「介護施設」が最適という人が多い
「介護の場所はどこが最適だと思いますか」という質問に、ちょうど半分の50%の人が「介護施設」と答えています。
次に多いのが「自宅」で、三番目が「医療機関」でした。
回答者の内訳を見ると、介護認定が「自立」の人は「自宅」が一番多くなっています。
しかし、「要支援1」以上になると、「介護施設」の方が多くなります。
介護の対象になる人の日常生活に支障が生じはじめ、介護認定を受けてみようと思うようになった段階で、「介護施設」に入ることを意識し始めるのでしょう。
「要介護5」でも自宅介護にこだわる人もいる
ただし、「要介護5」になっても、「自宅」が最適としている人が2割近くいます。
施設に入れずに、最後まで自宅で介護したいと考えている人が、一定数いることが分かります。
まず「介護認定」を受けて、最適な道のりを探そう
最後に「介護をするうえで、もっとも負担が大きかったこと」を聞いています。
一番多いのは「精神的負担」でした。
ここまで見てきたように、介護には「費用」も「時間」も掛かります。
その負担は小さくありません。
しかし、それ以上に「精神的負担」が大きいのです。
もし、家族の誰かに介護が必要な状況になったときは、まず介護認定を受けて、介護保険を使えるようにしましょう。
その上で、ケアマネジャーを始めとする第三者を交えて、介護を受ける本人とその家族にとって、一番良い方法を探すことが大切です。