中古マンションの購入金額は「2,983万円」、年収の「5.7倍」
広がる中古マンション市場
中古マンションの市場が大きくなっています。
例えば、住宅金融支援機構の固定金利長期住宅ローン「フラット35」の利用数でも、中古マンションの利用者は、新築マンションよりも多くなっています。
この記事では、2018年度のフラット35の資料をもとに、購入された中古マンションの仕様と、自宅用に中古マンションを購入した人のプロフィールを紹介します。
物件の価格は平均「2,983万円」
購入されたマンションの物件価格である「所要資金」は「2,983万円」でした。
所要資金を地域別に見ると、「首都圏」だけ全国平均よりも高く「3,235万円」でした。
首都圏の中古マンションの値段が、全国平均を押し上げていることが分かります。
以前よりも古いマンションが流通している
一言に中古マンションと言っても、新築から何年経過したかという「築年数」はさまざまです。
2018年度に購入された中古マンションの平均築年数は「23.7年」でした。
10年前の2008年度には「12.3年」だったので、以前よりも、古いマンションが流通するようになったことが分かります。
購入率が高いのは「築11年~20年」ですが、「築41年以上」も1割を超えています。
住宅面積の全国平均は「65.9平方m」
この調査では、間取りは分かりませんが、「住宅面積」は分かります。
全国平均は「65.9平方m」でした。
住宅面積が広いのは「東海圏」で「77.5平方m」もあります。
逆に、「首都圏」は「62.9平方m」しかありません。
77.5平方mならば、3LDKの間取りも可能ですが、62.9平方mでは2DKか2LDKが普通です。
中古マンションの面積は、地域によって大きな差があることが分かります。
平均年齢は「40.9歳」
購入者の平均年齢は「40.9歳」でした。
年齢の分布を見ても「30代」と「40代」で6割以上を占めています。
家族数は「2人」が多い
中古マンション購入者の家族数は、平均2.4人でした。
家族数は「2人」が一番多く、「1人」から「3人」で8割以上を占めています。
平均収入は「585万円」
中古マンション購入者の世帯収入の平均は「585万円」でした。
一番多いのは「400万円以上600万円未満」ですが、「400万円未満」の人も3割以上います。
さきほど見たように、中古マンションの所要資金は「2,983万円」です。これを購入者の平均年収で割った「年収倍率」は「5.7倍」にあたります。
新築マンションの年収倍率は6.9倍ですから、中古マンションは比較的手に入れやすいことが分かります。
月収にローンが占める割合は「21.8%」
住宅ローンを組むときに、注意したいのが「総返済負担率」です。
これは「1カ月当たりの予定返済額」を「世帯月収」で割ったものです。
つまり、ローンの返済金額が、月収の何パーセントを占めるかという数字です。
中古マンション購入者の場合、平均は「21.8%」でした。
月収の5分の1以上をローンの返済に充てる予定になっています。
総返済負担率は「25%」が目安とされていますが、中には30%を超える、やや過重なローンを組んでいる人もいます。
「首都圏」と「東海圏」は地域差に注意
中古マンションは、思っていた以上に古い物件も流通していることが分かりました。
逆に言えば、ある程度住んだ上で、住み替えるために売ることも可能だということです。
ライフスタイルの変化に合わせて、住替えることを前提に考えても良いでしょう。
なお、「1981年6月1日」以前に建築確認を受けた建物は、現在の新耐震基準には合致していません。
築年が1983年以前の古い物件を検討するときは、契約の前に「新耐震対応」であることを確認しておきましょう。
また、物件の価格と間取りについては、地域による差が大きいことが分かりました。
特に、「首都圏」と「東海圏」では、全国平均に惑わされずに、その地域の水準をもとに情報収集を進めてください。