土地付き注文住宅の購入金額は「4,113万円」、年収の7倍以上

[2019/7/29 00:00]

自分の好みが生かせる「土地付き注文住宅」の魅力

どうせ家を建てるなら、一戸建てにしたいという思いを抱いている人は多いでしょう。

特に、まっさらの土地に、自分の好みで設計した家を新しく建てる「土地付き注文住宅」は、究極の一戸建てとして憧れの存在です。

この記事では、住宅金融支援機構の固定金利長期住宅ローン「フラット35」の資料をもとに、「土地付き注文住宅」の仕様と、それを建てた「施主」(せしゅ)のプロフィールを紹介します。

物件の価格は「4千万円台」

土地付き注文住宅の代金である「所要資金」の全国平均は「4,113万円」でした。

地域別に見ると、「首都圏」が図抜けて高く「4,775万円」と、5千万円が見える水準です。

近畿圏も「4,227万円」と高めで、東京と大阪の周辺で「土地付き注文住宅」を建てるのは、それなりのお金が掛かることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

住宅面積の全国平均は「112.2平方m」

この調査では、間取りは分かりませんが、「住宅面積」は分かります。

土地付き注文住宅の住宅面積は、全国平均で「112.2平方m」でした。

「首都圏」では他の地域に比べて狭くて「106.2平方m」ですが、それでも百平方mを超えています。

出典:データを基に編集部が作成

30代でローンを組む人が多い

土地付き注文住宅の施主の平均年齢は「37.5歳」でした。

平均年齢が40歳を超えるマンションの購入者に比べて、若いのが特徴です。

土地付き注文住宅の施主の半分以上は「30代」です。

人生のかなり前半から、長期のローンを組んでいることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

家族数は「3人」以上が多い

土地付き注文住宅の施主の家族数は、平均3.3人でした。

家族数は「3人」か「4人」が多く、「5人以上」の割合も高くなっています。

家族構成まではわかりませんが、子供がいる家庭が多いのでしょう。

家族数が少ない、マンションの購入者とは対照的です。

出典:データを基に編集部が作成

平均収入は「400万円以上600万円未満」が多い

土地付き注文住宅の施主の世帯収入は「611万円」でした。

一番多いのは「400万円以上600万円未満」で、半分近くを占めています。

出典:データを基に編集部が作成

年収の7倍以上を投じる、思い切った買い物

さきほど見たように、土地付き注文住宅の所要資金は「4,113万円」でした。

これを購入者の世帯年収で割った「年収倍率」は「7.2倍」にあたります。

これは、新築マンションの年収倍率の「6.9倍」よりも高く、各種の住宅の中でも最高の倍率です。

地域別に見ても差は少なく、「首都圏」の7.6倍から、「その他の地域」の6.9倍の範囲に収まっています。

土地付き注文住宅は、全国のどこでも、収入の7倍を投じる必要がある思い切った買い物であることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

重いローンを組んでいる人が多い

住宅ローンを組むときに、注意したいのが「総返済負担率」です。

これは「1カ月当たりの予定返済額」を「世帯月収」で割った割合で、ローンの返済金額が、月収の何パーセントを占めるかを表します。

土地付き注文住宅の施主の場合、平均は「23.7%」でした。

つまり、月収の4分の1近くをローンの返済に充てる予定になっています。

総返済負担率は「25%」が目安とされています。

しかし、土地付き注文住宅では「25%~30%」の人が多く、負担が重いローンを組んでいることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

「どうせなら」と考えすぎて予算オーバーに注意

土地付き注文住宅の施主になっている人は、比較的若い30代のうちから、年収の7倍以上のローンを組んでいることが分かりました。

収入に対するローンの割合も、目安とされる25%を超えている人が多く、返済の負担が重いことがうかがえます。

これだけ金額が大きいと、一生に一度の買い物という気分になり、つい無理をして予算をオーバーしてしまいがちです。

長期に渡って、負担の重いローンを抱えることになるので、負債が大きくなりすぎて支払いに苦しまないように注意しましょう。

[シニアガイド編集部]