新築マンションの購入金額は「4,437万円」、年収の「6.9倍」
都会生活者には魅力的な「新築マンション」
家を買う際に、一戸建てかマンションかというのは悩ましい問題です。
とくに、タワーマンションに代表される「新築マンション」は、都会生活者にとっては一戸建てよりも魅力的な面が多く、人の判断を迷わせます。
この記事では、住宅金融支援機構の固定金利長期住宅ローン「フラット35」の資料をもとに、「新築マンション」の仕様と、その「購入者」のプロフィールを紹介します。
物件の価格は4千万円台
新築マンションの代金である「所要資金」の全国平均は「4,437万円」でした。
地域別に見ると、「首都圏」が図抜けて高く「4,941万円」と、ほぼ5千万円です。
全国平均よりも高いのは「首都圏」だけで、首都圏のマンションの値段の高さが、全国平均を引き上げていることが分かります。
首都圏のマンションは面積が狭い
この調査では、間取りは分かりませんが、「住宅面積」は分かります。
新築マンションの住宅面積は、全国平均で「68.3平方m」でした。
「首都圏」は特に狭くて「64.4平方m」しかありません。
首都圏のマンションの狭さが全国平均を引き下げているのです。
「64.4平方m」という広さは、間取りで言うと、「2DK」や「2LDK」が中心でしょう。
つまり、首都圏のマンションは、狭いのに値段が高いのです。
首都圏以外の地域では70平方m台のところが多く、余裕のある「2LDK」や「3LDK」以上の間取りが多いと思われます。
購入者の平均年齢は「42歳」
新築マンションの購入者の平均年齢は「42.4歳」でした。
購入者で一番多いのは「30代」で、38%を占めています。
しかし、「40代」と「50代」も多く、この2つで50%以上を占めています。
新築マンションは、40歳を過ぎてから購入の決心をする人も多いのです。
家族数は「2人」が多い
新築マンションの購入者の家族数は、平均2.5人でした。
家族数は「2人」か「3人」が多く、4人以上の割合が低くなっています。
家族構成まではわかりませんが、子供がいないか、いても一人という家庭でしょう。
家族数が「1人」という単身者も多く、20%を占めています。
購入者の半分以上が800万円以上の収入
新築マンションの購入者の世帯収入は「767万円」でした。
これは「土地付き注文住宅」の施主よりも高く、各種の住宅購入者の中でもっとも多い収入です。
一番多いのは「600万円以上800万円未満」でした。
しかし、購入者の半分以上は、800万円以上の収入があります。
逆に言えば、新築マンションはは、それだけの収入がないと手が出ない「高嶺の花」となっているのです。
年収が高いのに、年収倍率が7倍近い
さきほど見たように、新築マンションの所要資金は「4,437万円」でした。
これを購入者の世帯年収「767万円」で割った「年収倍率」は「6.9倍」にあたります。
平均年収が700万円以上もあるのに、物件の価格は、その年収の7倍近くするのです。
特に首都圏では年収倍率が高く、7.3倍と7倍を超えます。
負担が重いローンを組んでいる人が多い
住宅ローンを組むときに、注意したいのが「総返済負担率」です。
これは「1カ月当たりの予定返済額」を「世帯月収」で割った割合で、ローンの返済金額が、月収の何パーセントを占めるかを表します。
新築マンションの購入者の場合、平均は「21.7%」でした。
月収の、だいたい5分の1をローンの返済に充てる予定になっています。
総返済負担率は「25%」が目安とされています。
しかし、新築マンションでは「25%~30%」の人が多く、「30%以上」の人も10%を超えています。それだけ、負担が重いローンを組んでいる人が多いということです。
使いやすさを優先して「中古」も検討を
新築マンションは、土地付き注文住宅と差がないほど価格が上がっており、ローンの負担が大きくなっています。
もともと年収が多い人が購入しているのですが、それでも年収の7倍前後のローンが必要となっており、なかなか手が出ない状況になっています。
とくに首都圏の場合、新築マンションを購入する負担は大きくなっています。
無理に新築マンションにこだわらず、、間取りや通勤経路などの使いやすさも考慮して、中古マンションも検討してみましょう。