東京23区の孤独死は1年に5千人以上。男性は定年直後、女性は晩年に多い
23区内の孤独死の現状
東京都監察医務院が、2018年に孤独死をした人の統計を公開しています。
東京都監察医務院は、東京23区内で、死因がわからず急に亡くなったり、事故などで亡くなった人の死因を明らかにする東京都の施設です。
この統計では、一人暮らしの単身世帯で自宅で亡くなっているのを発見された人を「孤独死」としています。
23区内の孤独死は5千人以上
2018年の孤独死数は「5,513人」でした。
そのうち、70%が男性で、30%が女性です。
男性は定年直後、女性は晩年が多い
孤独死者を年齢別に見ると、男性と女性で特徴が異なっています。
男性は「60代後半」と「70代前半」がピークです。
会社勤めであれば、定年を迎えた直後が、孤独死になりやすい年齢なのです。
女性は「80代後半」がピークです。
女性は、夫に先立たれるなどの理由で「80代」から一人暮らしになることが多く、年齢が高くなるほど、孤独死が増えていきます。
40%以上は、死後3日以内に見つかる
「孤独死」をした場合、死後何日ぐらいで発見されるものでしょう。
発見時の死後経過時間を見ると、「2~3日」で見つかる人が一番多くなっています。
死後経過時間が「3日以内」の人が約40%、「1週間以内」の人が約60%です。
死後一週間を過ぎても発見されない人は30%ほどです。
女性は早く見つかりやすい
発見までにかかる日数を男女別にみると、大きな差があります。
女性は、「3日以内」に半分以上の人が見つかっています。
「1週間以内」ならば、8割以上の人が見つかっています。
一方、男性は「3日以内」では4割しか見つかっていません。
「1週間以内」まで広げても、6割しか見つかっていません。
早く見つかる確率は、女性の方が高く、男性は低いのです。
推測になりますが、女性は日常的に接している友人などが多く、ちょっと連絡が途切れたりした場合に、様子を見に来てくれるのでしょう。
一方、男性は人付き合いが少なく、周囲に異常を感じさせる兆候が表れてから、アパートやマンションの管理人や警察官など、公的な立場の人が見つける場合が多いのでしょう。
日常的な人付き合いが大切
東京都監察医務院のデータによって、孤独死には男女で大きな違いがあることが分かりました。
男性は60代後半から70代前半がピークで、発見が遅れる確率が高くなっています。
定年退職で会社という組織を離れ、人付き合いが少なくなる時期が危ないのです。
一方、女性は80代以上がピークで、早目に発見される場合が多いことが分かりました。
こちらは、夫に先立たれるなどして一人暮らしになった、晩年の時期が危ないのです。
この結果を見ると、孤独死を避けるためには、数日連絡が途切れたときに、様子を気にしてくれるような、日常的な人付き合いが大切であることが分かります。
友人、知人、家族などの私的な関係に限らず、共同住宅の管理人なども含めて、日常的に人と挨拶を交わすような人間関係を心がけましょう。