サラリーマンの「メンタル不調」は、「上司との人間関係」が最大の原因
500人の産業医に聞いた「メンタル不調」
法人向け産業保健支援サービス「first call(ファーストコール)」が、「従業員のメンタル不調に関するアンケート」の結果を公開しています。
このアンケートは、企業の従業員の健康管理等について、専門的な立場から指導や助言を行なう「産業医」を対象に行なわれたました。
2019年6月に行なわれたインターネット調査には、500人の産業医が回答しています。
メンタル不調の原因は「上司との人間関係」
「従業員のメンタル不調の原因」で一番多いのは「職場の人間関係」でした。
具体的な職場の人間関係では、「上司との人間関係」が最大の原因となっています。
不調になると「遅刻や欠勤」が増える
「メンタル不調になっている可能性があるときの分かりやすいサイン」は2つ挙がっています。
1つは「遅刻や欠勤が増える」で、もう1つは「表情が暗くなる」でした。
「メンタル不調を早期発見するために、経営者や人事が行うべきこと」では、「従業員との日常的な会話」と「定期的な面談」が挙がっています。
「復職」には理解とフォローが必要
「メンタル不調で休職した後の復職」は、約半数の産業医が「どちらかというとうまくいかないケースが多い」と回答しています。
復職がうまくいくために必要なこととして「職場による理解とフォローの有無」が真っ先に挙がっています。
早く声を上げることが、解決につながる
それぞれの設問に対して、産業医から寄せられたコメントのうち、いくつかを紹介しましょう。
- ストレスチェックで産業医面談の希望があり面談した際、配置転換を希望された。人間関係が原因だと思われたが、本人がそうとははっきり言わないので困ったことがある。
- 睡眠不足のため、遅刻、ミスが顕著になる。
- 健康状態に何ら問題のない若手が急に腹痛、頭痛を強く訴えて泣きべそをかく。
- 何よりも周りの人々の理解が不可欠です。また経験上、職場や業務内容も変えたほうが良い。
- 早期介入できないと重篤化し、改善までに時間がかかる。時間がかかると復職への気持ちのハードルが上がる。また、業務内容も日々変化しており、変化への対応が難しくなり自信喪失につながる。
これらのコメントから分かることは、できるだけ早い時期に、自分から声を上げることの必要性です。
「このままでは、ヤバい。自分が壊れる」と思ったら、会社の総務部門や産業医に相談しましょう。
その時にはメンタル不調の理由と、配置転換や休職などの希望をはっきりと伝えた方が、対策も早く進みます。
どうしても社内の人で相談できないときは、社外の産業カウンセラーなどに相談することも検討してください。